中国の習近平国家主席は10日、全国人民代表大会の青海省代表団との全体会議に出席した。習主席は「青海省についての3つの関心事」の冒頭に「民族間の団結」を挙げた。(イメージ写真提供:(C)劉海棟/123RF.COM。青海省にあるクンブム・チャンパーリン寺<タール寺>))

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 中国の習近平国家主席は10日、全国人民代表大会の青海省代表団との全体会議に出席した。習主席は「青海省についての3つの関心事」の冒頭に「民族間の団結」を挙げた。

 中国では5日から16日までの日程で、全国人民代表大会(全人代)が開催されている。全人代の議員は中国の31の省レベル行政区と、香港、マカオの2つの特別行政区、さらに台湾から選出される(解説参照)。地域別の選出とは別に中国人民解放軍も議員を選出する。習近平国家主席は、各地の代表団がそれぞれお行う会議への出席を続けている。

 青海省は約562万人の人口の半数程度は漢族だが、チベット族が約24%、回族が12%で、その他トゥー族(土族、モンゴル系)、サラール族(撒拉族、チュルク系)、モンゴル族などが暮らす多民族地域だ。宗教でも漢族の儒教・道教・仏教の他、チベット仏教、イスラム教(スンニ派)などが入り混じっている。

 新華社によると、青海省代表団の会議に出席した習主席は、同省についての関心事としてまず、「民族団結」を挙げた。中国で言う「民族団結」は、民族内の団結ではなく「各民族が中華人民共和国の一員として団結する」ことを意味する。

 習主席は「多民族わわが国の一大特色であり、わが国の発展のために有利な一大要因だ」と強調し、「民族の違いを尊重し、多様な文化を包容」することなどを求めたという。

 習主席は、残る2つの関心事を「生態保護」、「貧困対策」とした。「生態保護」については青海省が黄河や長江という、中国の大河の水源になっていることにも言及。「貧困対策」では、医療問題について質問した。

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◆解説◆
 中華人民共和国は「台湾は中国の一部」と主張との整合性を図るため、国会に相当する全国人民代表大会にも「台湾代表」を置いている(全人代で「代表」は「議員」の意)。

 現在、台湾代表は12人いる。中国社会では「籍貫」が極めて重視される。「籍貫」は日本の本籍に相当が移動は極めてまれだ。つまり「一族の出身地」と言ってよい。台湾代表の「籍貫」はいずれも台湾だが、実際の「出生地」は明らかでない場合が多い。1950年代生まれの「代表」の場合、台湾から亡命してきた場合があるが、若い世代の場合には、父母またはそれ以前の世代に台湾から大陸に渡った人の孫や子と考えられる。

 現在の「台湾代表」も、台湾の現状をよく知らず、「台湾の民意を代表する」とはとても言えない存在だ。そして今後は、「大陸生まれの台湾代表」がさらに増えて行くことが確実だ。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)劉海棟/123RF.COM。青海省にあるクンブム・チャンパーリン寺<タール寺>))