実は「好き者」だったネズミ

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他人のセックスを見たがるのは人間だけと思われてきたが、ネズミも大好きだったことがわかった。慶応大学と麻布大学の研究チームがドイツの科学誌「アニマル・コグニション」(電子版)の2016年1月22日号に発表した。

動物が仲間のセックス動画に興味を示す例は、タイの動物園がパンダの繁殖でオスをソノ気にさせるために作った「パンダポルノ」があるが、中国国内でしか「効果」の実績報告がなかった。

「行為」を見ることに直接の利益はない

研究チームは、オスのマウスを3種類の映像を流す箱の中に入れて、どれに興味を示すか滞在時間を調べた。(1)2匹のマウスがニオイを嗅ぎ合う「中性行動」(2)オスとメスが交尾する「性行動」(3)2匹がケンカする「闘争行動」の3つである。すると、マウスの滞在時間が長い順は、「闘争行動」「性行動」「中性行動」の順番になった。

マウスにとって闘争行動は群れの中の順位を決める非常に大事な意味を持つものだ。また臭いを嗅ぎ合う行為も日常の挨拶だから重要で、見ることは有益である。しかし、「性行動」は繁殖期だけに行なうものだし、その行為を見ることに直接の利益はない。それなのに、性行動を「見る」のは「嗜好」、つまり「好きだから」というわけだ。

研究リーダーの渡辺茂・慶応大名誉教授は「人間以外の動物ではオスザルがメスザルのお尻を見たがることが報告されていますが、それは『性行動』そのものではありません。人間以外の動物が他個体の性行動を見ることを好むことを初めて明らかにしたものです」とコメントしている。