photo by thetaxhaven on flickr(CC BY 2.0)
 2016年2月28日、オマハの賢人との異名を持つ米国著名投資家、投資会社バークシャー・ハザウェイCEO、ウォーレン・バフェット氏が、バークシャー・ハザウェイの株主へ毎年送る「株主への手紙」を公開した。

 2015年、バークシャー株は12.5%下落し、ベンチマークのS&P500(配当込)の+1.4%を下回ったが、バークシャー社の1株当たり純資産は6.4%増加した。1965年から2015年の51年間で、S&P500(配当込)は年平均+9.7%の増加ペースであったのに対して、バークシャー株はそれを大きく上回る年平均+20.8%で増加した。2006年以降の10年間だけを観ると、バークシャー株はS&P500(配当込)に対して、7勝3敗の成績となっている。

 バフェット氏は、バークシャー・ハザウェイの事業に対して、”Last year was a good one.”(昨年は良い年であった)と総括している。2015年、バークシャーの最も重要な発展は、金融関係ではなく、BNSF鉄道(※2009年11月、バークシャー・ハザウェイが約2.4兆円で買収したバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道)であったとしている。競合の米国鉄道会社の総トン・マイル数は落ち込み、収益が減少した中で、BNSF鉄道は顧客サービスを劇的に改善し、総トン・マイル数を維持することができ、税引き前利益で68億ドル(2014年に対して606百万ドルの増益)という記録的な結果となった。

◆バフェット氏の米国市場に対する見方は?

 米国市場に関して、バフェット氏の見方は「楽観」である。“For 240 years it’s been a terrible mistake to bet against America, and now is no time to start.”(240年間、米国への逆張り投資は大きな間違いだった。今も始める時ではない)と記している。

 多くの米国人が、子供たちの将来の暮らしが自分たちよりも悪くなると考えていることに関して、バフェット氏は ”That view is dead wrong: The babies being born in America today are the luckiest crop in history.”(その見解は完全に間違っている。今日米国に生まれる子供たちは史上最も幸運だ。)であると主張している。

 また、現在の年率+2%という実質GDPの伸び率は大きくないように見えるが、年率+0.8%の人口増加(自然増+0.5%、移民+0.3%)を考慮しても、一人当たりの実質GDP伸び率は年率+1.2%となり、25年間で+34.4%の驚異的な数字になるとしている。

◆バークシャーの投資先ポートフォリオ

 バークシャーの投資先ポートフォリオの上位5社は、2015年12月末時点、以下の通りである。(出所:DATAROMA)

1位:ウェルズ・ファーゴ:19.8%
2位:クラフト・ハインツ:18.0%
3位:コカ・コーラ:13.0%
4位:IBM:8.5%
5位:アメリカン・エクスプレス:8.0%

 ウェルズ・ファーゴ、コカ・コーラ、IBM、アメリカン・エクスプレスの4銘柄は、バークシャーの「ビッグ4」と呼ばれてきた。バークシャーは、ウェルズ・ファーゴの持ち株比率を2014年末の9.4%から9.8%へ買い増した。同様に、バークシャーは持ち株比率を、コカ・コーラ9.2%から9.3%へ、IBM7.8%から8.4%へ、アメリカン・エクスプレス14.8%から15.6%へと、増やした。バークシャーによる、この数パーセントの持ち株比率の増加はたいした意味の無いように思えるかもしれないが、年間5億ドルの収益押し上げ効果があるとしている。

 2015年のバークシャーの最終利益は241億ドルと、過去最高だった前年の199億ドルを上回ったが、傘下の米食品大手HJハインツがクラフト・フーズ・グループと合併したことが利益の押し上げに寄与したとされる。したがって、クラフト・ハインツへの投資は成功と評価されている。

 一方、IBMへの投資については、どうだろうか?とにかく、含み損が大きい。いまのところ、バフェット氏は、昨年12月末時点で含み損が26億ドルとなったIBM株については、売却する意図はないとしている。

◆バフェット氏に「乗る」か?

“America’s golden goose of commerce and innovation will continue to lay more and larger eggs.”(米国の商業とイノベーションの金のガチョウはこれからもたくさん、大きな卵を産み続ける。)と、バフェット氏は、米国の商業とイノベーションに楽観的である。

 私たちも、米国市場に対するバフェット氏の楽観を信じるのであれば、米国株への投資をしてみるのもいいかもしれない。米国株式市場のベンチマークであるS&P500に連動するETFを買うのも良し。バークシャー・ハザウェイの「ビッグ4」(ウェルズ・ファーゴ、コカ・コーラ、IBM、アメリカン・エクスプレス)や上位保有銘柄を買うのも良しだろう。

<文/丹羽 唯一朗 photo by thetaxhaven on flickr(CC BY 2.0)>