女性のハダカは偉大!“誠実な変態”と評判の『シェル・コレクター』監督を直撃
 リリー・フランキーが主演し、寺島しのぶ、池松壮亮、橋本愛と邦画好きのアンテナを刺激するキャストが集まったヒューマンドラマ『シェル・コレクター』が公開中。

 西島秀俊さん主演作『CUT』でも知られるイランの名匠、アミール・ナデリ監督が「これからの日本映画界を担う新星!」と絶賛した坪田義史監督の作品です。

 40歳にして、独自の表現に果敢に挑み、はっきりと世界観を確立している坪田監督に、『シェル・コレクター』にちなんで築地にある貝料理屋さんでお話を聞きました。

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『シェル・コレクター』のあらすじ
沖縄の離島で孤独に暮らす貝類学者(リリー・フランキー)。あるとき、島に漂着した女性画家(寺島しのぶ)の奇病を貝の毒で治したことから、島に人が押し寄せる。
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⇒【YouTube】映画『シェル・コレクター』予告編 http://youtu.be/8gyq4vFL9hw

◆リリー・フランキーは芸術に対してまじめ

――各方面から、変態監督だという評判を耳にしまして。

坪田:僕がですか? 違いますよ。『シェル・コレクター』も自然と人が対峙する情景の中に裸体があったらいいなと、真っ当な理由から撮っています。でも昔から爽やかな変態とか誠実な変態とかはよく言われますね。僕は、作品の中に裸体があると撮ったなって気がするんですが、現場でそういったシーンの演出をしているときなんかに、切実な願いをもって自分でやって見せたりするので、変態に見えるのかもしれません(笑)。

――『シェル・コレクター』も前作『美代子阿佐ヶ谷気分』も、ひとつのことに執着している人物が主人公ですね。

坪田:ひとつのことにはまっていく人にシンパシーを感じるのかも。僕もそうなので。妄執というか。映画を撮っているときはほかのことが頭に入らなくなります。現実世界のほうが夢うつつというか。電車に乗れば切符をなくしたりとか、財布をなくしたりとか、とにかくいろいろなくしますね。

――『シェル・コレクター』でリリーさんが海底に座っているシーンが印象的ですが、実際の海で撮影されたとか。リリーさんは海中で目を開けてのお芝居されていたわけですね。

坪田:大変だったんですよ。俺は水上のボートからモニター見てて、リリーさんは海底にいるんです。大丈夫かなって、内心ドキドキしてたんです。

――でも海での撮影は監督が決断されたんですよね?

坪田:まぁ、そうですけどね(苦笑)。

――リリーさんはどんな方ですか?

坪田:芸能、芸術をするということに対しての考え方がちゃんとしてる方だと思います。普段は破天荒だとしても、創作や演じることに対しては、とてもまじめな人だと思います。じゃないと、海底のイスに座って芝居なんてしませんよ。色々と助けていただきましたし、共に作品を作っているという感じがすごくありました。

◆表現には女性の裸が必要

――『シェル・コレクター』は寺島さんの脱ぎっぷりも見事です。日本ではヌードにボカシが入ったりしますが、作品を撮る際に、この表現ならボカシが入らないといったことも考慮するものですか?

坪田:僕はあまり考えないです。前作もヘアとか映ってるし。寺島さんも映画の中にある「裸体のある画」の力強さを知ってるんです。身体表現のひとつとして。彼女は気概が違いますよ。邦画の表現の幅を広げていると方だと思います。最大限に評価される女優だと思いますね。

――タイプは全く違いますが、前作・今作とどちらのヒロインも強い女性です。

坪田:女性は強いと思います。うちの母親も強かったですし。実家は昔、お座敷をやっていて、宴席を盛り上げる芸者さんたちもいた。そういう歴史もあって、祖母も曾祖母も女性が強い家系だった。その環境は大きいでしょうね。

 父の存在もあります。私の父は女性の裸ばかり描く人で、幼少のころからそういった絵画や資料、裸婦のポーズ集なんかが身近にありました。実家の居間には裸婦の絵画がかかっていましたが、それは親父が描いた、たぶんうちのおふくろであろうヌード。僕はその絵の前で母が作った飯を食っていたわけですから。

――そうした環境にあると、裸とエロが切り離されるような……

坪田:されますよ。僕は表現という行為には女性の裸が必要だなと学生時代から思っていて、日活ロマンポルノ等を見ていても、フレームの中に絵画的なものが動く迫力を感じて、裸を使った表現に惹かれました。画という額縁に入った「作品」を作りたい。だからつまり、僕は変態ではないと。

――監督の作品には監督自身の妄執な感じが出ていると思います。やっぱり監督は真摯な変態なのかもしれませんね。

坪田:そうかな(笑)。常に表現の自由を獲得したいと思ってます。

⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=47705

※今回お話を伺ったお店:活貝焼専門屋台 和光

<PHOTO,TEXT/望月ふみ>
『シェル・コレクター』はテアトル新宿、桜坂劇場他にて絶賛上映中!
配給:ビターズ・エンド
(C) 2016 Shell Collector LLC(USA)、『シェル・コレクター』製作委員会
、『シェル・コレクター』オフィシャルサイト http://bitters.co.jp/shellcollector/