中国新聞網、環球網、新浪網など中国の多くのネットメディアは10日、「日本と中国の距離がますます離れる。2011年の地震の後、米国に5メートル接近」と題する記事を掲載した。本来は地球科学や防災関連の記事だが、「政治絡み」の連想で、多くのメディアが取り上げた。(写真は中国新聞網の10日付報道の画面キャプチャー)

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 中国新聞網、環球網、新浪網など中国の多くのネットメディアは10日、「日本と中国の距離がますます離れる。2011年の地震の後、米国に5メートル接近」と題する記事を掲載した。本来は地球科学や防災関連の記事だが、「政治絡み」の連想で、多くのメディアが取り上げた。

 記事は、ロシアの政府系メディア「スプートニク」の報道を引用した。

 本文は、「2011年3月11日に大地震が発生した後、多くの地域で過去5年間に地面が米国に向けて5メートルほど移動」、「東京など関東平野では地面の移動は収まってきているが、東北地方では移動が続いている」、「専門家は、東北地方では(地震の影響が)元の状態に戻るには数十年かかると見ている」などだ。

 しかし、「スプートニク」が見出しを「2011年の大地震以降 日本列島の一部5メートル東に移動」とするなど、同記事を純粋に地球科学や防災関連の方法として扱ったのに対し、中国メディアは「日本と中国の距離がますます離れる」、「米国に接近」など、現在の政治情勢を確実に連想させる文言を使った。

 文中の内容は、おおむね「科学記事」だが、それでもスプートニクが「東側つまり米国側への移動が見られた」と記述した部分を、単に「米国に向けて」に変更するなど、国名を強調している。

 中国ではネットメディアが他のネットメディアの記事を無断で転載することが、事実上黙認されている。そのため、同じ記事をどれだけ多くのネットメディアが掲載するかは、関心度の高さをかなり忠実に反映すると言ってよい。

 上記記事を多くのメディアが取り上げたことは、日本の中国離れと米国への接近を、中国人が強く感じていることのあらわれと言える。(編集担当:如月隼人)(写真は中国新聞網の10日付報道の画面キャプチャー)