SOURCE2●為替

米系ファンドなどが、
ドル売りにターゲット

日銀による「マイナス金利導入」の劇薬も、その賞味期限はわずか数日だった。教科書的には、日本のマイナス金利導入は、利上げに向かう米国とさらなる金利差拡大を招き、「ドル買い・円売り」、つまり円安要因となるはずだ。
相場は劇薬投与直後に1ドル=121円台を奪回したものの、その3日後にはもとの水準を下回るところまでドル売りが進んでいる。国内外の銀行で為替ディーラーや外国為替部長を務めた水上紀行氏はいう。「原油安によって、日本の貿易収支の赤字幅が縮小しています。このまま原油安が定着すれば、黒字化もそう遠くはないでしょう。その意味では、目先はジワジワと円高に向かう可能性が高いと見ています」
一方、米系ファンドやヘッジファンドなど投機筋の動向を示すと言われる「シカゴIMM通貨先物」では、ここへきてドル売り(円買い)のポジションが積み上がってきた。
「特に米系ファンドなどは、円高を狙い始めているようです。前述した貿易収支の赤字幅縮小に加えて、中国の景気失速などによるリスク回避の動きが、円高を演出すると見込んでいるのだと思います。2012年10月から2015年5月まで、彼らは徹底してドル買いを仕掛け、結果的に約40円幅もドル高が進みました。今度は本気でドルを売ってくるのではないでしょうか」(水上氏)
水上氏の予想では、まずは1ドル=116円割れ、その後は2円刻みでドル売りを加速させるのではないかと見ている。
そろそろ、値ごろ感からドル買いを仕掛けたくなる局面だが、ここは冷静にマーケットを見極めてエントリーする必要がありそうだ。

SOURCE3●原油

協調減産は期待薄か。
原油価格はまだ下値模索中

原油価格の下落が、世界の金融マーケットを直撃している。足元のWTI原油先物価格は、一時1バレル=26ドル台にまで下落、これは2003年5月以来、約12 年8カ月ぶりの安値水準である。
「原油安によって、サウジアラビアを始めとする産油国の財政が逼迫しています。これを穴埋めするために、株式市場などの金融マーしかし、足元のドル/円日ケットからオイルマネーが逆流しています。日銀がマイナス金利を導入し、ドル高や株高を狙いましたが、原油価格が下げ止まらないことには、株式市場の反発も厳しいでしょう。これは米国株にも同様に言えることです」というのは、シンガポールの国営銀行関係者。
一方、カブドットコム証券の河合憲達氏も大方同様の考えだ。
「ロシアが仲介役となって、原油の協調減産を呼びかけるとの動きもありますが、現実的には難しいのではないでしょうか。そういった意味では、今後、原油価格はまだ下値模索の状態が続く可能性があります」
原油価格が下げ止まらず、株式市場のリバウンドが遅れる可能性もある今、投資家としてはどのような行動に出るべきか。幸い、現在ではETN(上場投資証券)を活用して、原油そのものに投資できる環境が整っている。原油がまだ下がる可能性が高いなら原油価格下落で儲かる「原油ベア」、リバウンドを狙うなら「原油ブル」を買えばいい。原油価格が世界の金融マーケットを動かしている今、積極的に利益を狙うばかりではなく、持ち株のリスクヘッジなどにも活用したい。


※この記事は「ネットマネー2016年4月号」に掲載されたものです。