若い時に攻撃的だったり、他人を信用できなかったりする人は、中年になってから記憶力や思考力が鈍り、もの忘れの度合いが強くなってくることがわかった。ストレス対処能力の低い人も同様だという。

米国立衛生研究所のレノーア・ローナー博士らが研究をまとめ、米神経学会誌「Neurology」(電子版)の2016年3月2日号に発表した。

攻撃的な人は認知機能の成績が16%悪くなる

米国の健康保健データの中には「性格心理テスト」の記録が残っているものが少なくない。ローナー博士らは1955〜1968年に生まれた男女3126人(調査開始時点の平均年齢25歳)を対象に、若い時の性格と50歳になった時点での認知機能テスト(記憶力、注意力、集中力)の成績を比較して調べた。若い時の性格は、「攻撃的な態度」「他者に対する信頼性」「ストレス対処能力」を、その度合いに応じて4段階に評価した。

その結果、若い時にもっとも攻撃的で他人を信用しない性格だった人は、もっとも穏やかで他人を信じる性格だった人に比べ、認知機能の成績は16%低かった。ストレス対処能力の低い人は高い人に比べ30%低かった。この傾向は、うつ病や貧困などの要素を取り除いても同じだった。

若い時の「性格の悪さ」がどうして中年期のもの忘れにつながってくるのか。ローナー博士は「若い頃の性格と後の記憶力、思考力との関係を示すことができましたが、その理由はわかりません。この調査は『観察研究』と呼ばれ、因果関係を明らかにするものではありませんから。ただ、若いときの敵対的な態度をやわらげさせ、ストレス対処能力を向上させるよう導けば、将来の認知機能の低下を防ぐ可能性はあります」とコメントしている。