死者、行方不明者合わせて1万8000人を超えた東日本大震災から、11日で5年が経った。5年という月日の長短は、人によってさまざまだろう。つい昨日のことのように思う人もいれば、ずいぶん昔のことのように思う人もいると思う。とりわけ、直接被害に遭った当事者と、そうでない人の差は大きい。


「NHK東日本大震災アーカイブス」は、震災にかかわるさまざまな人の証言を記録しつつ、そこから復興と防災・減災について考えるウェブサイトだ。

同サイトにて、3月9日に「震災5年特集 地震発生から72時間」が公開された。当時の映像を時系列順に並べ、何がどのように起こったのかを振り返る動画特集である。数十秒から数分程度の長さのニュース映像が、3月11日から3月14日まで80本弱にまとめられている。

当時のニュース映像はYouTubeなどでも視聴することができるが、時系列順にコンパクトにまとめられたことで、事実関係が整理されてわかりやすくなっている。いたずらにショッキングな映像を見てしまうこともない。

動画は、2011年3月11日14:46「国会中継中に緊急地震速報」から始まり、14:48「地震の第一報」、14:49「新宿方面 大きく揺れる」と続いていく(数字はいずれも時刻)。

津波が三陸沿岸に到達する映像、街や畑をのみ込んでいく映像、建物の上で救出を求める人々の映像、炎を吹き上げる石油コンビナートの映像、気仙沼の火災の映像など、ニュースなどで何度も繰り返して見た映像だが、今あらためて見返しても生々しく、その被害の甚大さに総毛立つ。

3月12日14:15「福島第一原発で放射性物質検出 炉心の核燃料溶け出した可能性」という一報が入る。15:36「福島第一原発で爆発音 白煙が上がる」、19:38「日本の原発で初の炉心融解」というニュースが続く。この日、日本中の目が、福島第一に注がれていた。

3月13日は、各地の被害の状況を伝えるニュースが続く。16:16「陸前高田市 壊滅的被害の様子」、19:15「南三陸町 被害の状況」など。

3月14日11:21「福島第一原発3号機で水素爆発」。ズームのぼやけた映像の中に、白煙がはっきりと浮かび上がる。特集は、14:26「震災で被害を受けた仙台駅構内を公開」の映像で終わる。

筆者は、東日本大震災で直接大きな被害に遭っていない。震災のことを忘れてはいけない、風化させてはいけないと思いつつ、日々の生活の中で、震災のことを振り返る時間がほとんどないということに気づく。3月11日の今日も、あわただしく仕事の予定がいくつも入っている。

そんな中、この動画のアーカイブに触れることで、もう一度、震災について考えるきっかけをもらった気がする。動画の向こう側にいた、多くの被災者の方たちに寄り添うこととはどういうことかもあらためて考えてみたい。

なお、津波や火災の映像が多く含まれているので、視聴の際は注意が喚起されている。
(大山くまお)