日本旅行ブームが起きているような感のある中国だが、その一方で、歴史認識や領土をめぐる対立から、日本に対して反感を持つ中国人も今なお数多く存在する。中国では日本に対する見方が大きく分かれていると言えそうだが、なぜ中国ではこれだけ日本に対する考えや態度が人によって異なるのだろうか。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本旅行ブームが起きているような感のある中国だが、その一方で、歴史認識や領土をめぐる対立から、日本に対して反感を持つ中国人も今なお数多く存在する。中国では日本に対する見方が大きく分かれていると言えそうだが、なぜ中国ではこれだけ日本に対する考えや態度が人によって異なるのだろうか。

 言論NPOと中国国際出版集団が共同で行った日中の世論調査によれば、日本に対して「良くない印象(どちらかといえば良くない印象を含む)」を持つ中国人は2007年は36.5%にとどまったが、13年には92.8%まで上昇した。14年、15年の調査では減少傾向にあったものの、それでも15年は78.3%の中国人回答者が日本に対して「良くない印象」を持っていた。

 これだけ多くの中国人が日本に対して良くない印象を持ちながらも、近年は日本を訪れる中国人旅行客が急増している。日本政府観光局によれば、15年に日本を訪れた中国人外客数は499万3800人に達し、前年比ではほぼ2倍に膨れ上がった。

 こうしたとらえどころのない中国人の対日感情について、中国メディアの今日頭条は「中国人は口では反日を唱えながらも、足取りは誠実だ」とし、なぜ中国人は日本を嫌っていながらも日本を訪れたがるのかを考察している。

 記事は、近年の中国では国外への旅行そのものがブームとなっており、日本は人気渡航先のうちの1つであることを指摘する一方で、日本では中国の大都市圏ではもはやお目にかかれないものが日常的に存在すると紹介。それは「青空」であり、「静かな環境」だ。

 中国では深刻な大気汚染が発生しており、北京市や上海市では澄み切った青空は珍しい存在となっている。また、中国の大都市はどこでも自動車のクラクションや人びとの声が騒がしく、良い言い方をすれば活気がある状況だが、「日本は東京や大阪以外であれば、人びとの足取りもゆっくりしていて、騒音も少なく、まるで20-30年前の中国のような生活リズムを味わえる」と伝えている。また、日本では中国から伝わった文化が今なお大切に保存されているが、中国ではこうした文化が失われつつあることを指摘し、「自分たちの文化の再発見が可能であること」も人気の理由の1つだとしている。

 日本人にとっては当たり前に存在する「青空」や「澄んだ空気」といったものも中国人にとっては「得難い」ものであることがわかる。こうした要素に加え、日本の製品やサービスも高品質であるとして人気を集めており、こうした複数の要因によって「日本はあまり好きではないが、日本に行ってみようか」と考える中国人が増えているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)