台湾国営の中央通訊社(中央社)は10日、公式ウェブサイトで2011年3月11日に発生した東日本大震災の現状を紹介する、特集連載を開始した。(イメージ写真提供:(C)yoshiyayo/123RF.COM)

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 台湾国営の中央通訊社(中央社)は10日、公式ウェブサイトで2011年3月11日に発生した東日本大震災の現状を紹介する、特集連載を開始した。

 日本時間10日午後3時22分から30分にかけて、記事4本を発表した。

 最初に「311震災から5年、18万人近くが今も故郷を離れて」と題する記事を発表。避難生活を送っている人は約17万8000人で、多くが福島県民と紹介した。

 日本政府は震災発生から10年間で32兆円の復興予算を組んだが、被災3件の42の市町村長の首長にアンケートしたところ、45%が「3年前に考えていたよりも復興は遅れていると感じる」と回答。特に福島県の15の市町村では、首長の60%が遅れていると回答したことにも触れた。

 2本目の記事は、津波で甚大な被害を受けた岩手県大槌町の状況をリポート。高さ22.5メートルの津波に直撃され、人口の1割近い1285人が死亡または行方不明になったと紹介。避難指示に当たっていた町長や町の職員の多くも犠牲になったと説明した。

 震災前に700人いた水産業関係者も150人に減少するなど、産業も大打撃を受けた。しかし2011年8月には早くも民間業者の力で「立ち上がれ! ど真ん中 おおつち」の復興運動が始まったと紹介。再建に取り組む民間の力を強調した。同記事の見出しは「深刻な被災地の大槌町は悲しみを取り超えて歩む。ブランド創出で再建、生き残りをかける」だ。

 3本目の記事は、岩手県宮古市田老地区を紹介。商店主らは11年9月には臨時商店街の「たろちゃんハウス」を設立。隣接するホテル「グリーンピア三陸みやこ」の従業員の多くも被災者となったため、協力しながら歩んできたっと紹介。

 記事は、本店舗の再建が進むにともない「たろちゃんハウス」から出て行く商店も多く、現在は15店舗になったと紹介。しかし、「グリーンピア三陸みやこ」関係の被災者のことを思って、内心忸怩たる思いの商店主もいると伝えた。

 4本目の記事はやはり宮古市田老地区で、店を流された写真店店主に話を聞いた。同地区の防波堤は「万里の長城」とも言われていたが、地震で発生した津波に破壊され、自分の店を含む多くの家屋が無残に破壊された。同店主は堤防の再建はまだと指摘し、海を見ると恐怖感を感じると話したという。

 日本ではよく知られているが、東日本大震災に対して、台湾は世界でも最大規模の支援をしてくれた国だ。国営メディアが特集を組んだことで分かるように、台湾人はまだ、日本の被災状況を気にかけてくれている。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)yoshiyayo/123RF.COM)