歯医者さんの好きな人はいないが…(写真はイメージです)

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フランス中部にあるシャトーシノン村で、100人以上の患者の健康な歯を次々に抜歯、あごの骨を砕いて口内を化膿させるなど、地元メディアから「恐怖の歯科医」と呼ばれた男の公判が2016年3月8日に始まった。

「一度に8本歯を抜かれた」「痛い歯は1本だったのに、13本に増えた」などと証言台に立つ患者の衝撃的な話にフランス中の関心が集まっている。

「ちょっとチクリとしますよ」と眠らされ...

男はオランダ国籍のヤコーブス・ファンニーロップ被告(51)。診療費を稼ぐために患者の健康の歯を抜いたなどとして加重暴行罪と詐欺罪に問われている。

医療サービスが不十分だった村にヘッドハンティングで赴任した。当初は住民から歓迎されたが、被害を訴える患者が続出した。2013年、診療のひどさを見かねた助手の協力も得て「被害者の会」が立ち上がり、当局が摘発に乗り出した。法廷での証言の内容はすさまじい。

「歯列矯正器具の装着のために訪れたところ、いきなり口の中に7〜8本の注射を打たれ、一度に歯を8本も抜かれました。3日間出血が止まらず、敗血症になりました」
「痛かった歯は1本だったのに、毎回『ちょっとチクリとしますよ』と麻酔薬を打たれ、完全に眠らされているうちに他の歯が悪くなり、痛い歯が13本に増えました。13本のうち2本抜かれました」
「抜歯後のずさんな処置で口内が化膿して、さらに数本の歯を失いました。彼にとって私たちは患者ではなく、クレジットカードだったようです」

「被害者の会」には120人が名を連ねた。中には法廷で被告の顔を見ると、トラウマで体が震える人もいる。被告側は「精神の問題」を理由に無罪を主張しているが、有罪になれば、最高で禁固10年、罰金15万ユーロ(約1900万円)が言い渡される可能性がある。