わが子はADHDかも?

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不注意が多い、忘れ物ばかり、片づけができない、落ち着きがない、集中力がない、じっとしていられない…。学校でも毎日叱られてばかり。そんなわが子に“ちゃんとしてよ!”と、つい親も叱ってしまいますね。でも、叱っても注意してもいっこうに直らない、年齢を重ねても改善されない…。それはもしかしたら、ADHD(注意欠如/多動症)という発達障がいの可能性も?

「ADHDは、まだ原因がはっきりとわかっていませんが、注意力、衝動性、多動性を自分でコントロールできない脳神経型の疾患と言われています。程度は、強い子から弱い子まで個人差があります」

そう話すのは、児童青年精神科医の新井慎一先生。AD HDには、大きく分けて3つの特徴があるという。

【ADHDの特徴】

●ADHD不注意優勢型

ケアレスミスが多い。物を失くす。整理整頓ができない。集中力の継続が難しい。指示に従うのが苦手。面倒くさいことをやり遂げることが苦手。計画的に行動することが苦手。気が散りやすい。

●ADHD多動性・衝動性優勢型

落ち着きがなく、授業中にじっとしていられない。席を立ってしまうこともある。人の話を遮ってしまう。思いついたら即行動してしまう。

●ADHD混合型

不注意と多動性・衝動性の両方が同じ程度にみられる

以上の特性を見ただけでは、“ウチも子もいくつか当てはまっているけど…”と思った親御さんも多いかもしれませんが、もしかしたらADHDかも? と見極めるときのポイントがあるそう。

「ADHDの特徴を見てみると、幼児であればどんなお子さんにもよくあることですよね? しかし、その特徴が幼児期から他の子よりも明らかに目立ち、年齢が上がって周りの子が落ち着いてきたころになっても目立っている。しかも、1〜2つのことならどんなお子さんでもありうると思いますが、特徴がいろいろ重なり、より困難な状況がおこっている場合には疑う目安になります」

さらにもうひとつ、重要なポイントがあるそう。

「怠けてできない場合、不真面目な場合、わざとやっている場合というのは、本人のモチベーションや状況次第でできる時とできない時がありますね? しかし、毎回できない、改善しようと努力してもできない場合は、本当に苦手で困難なのだと疑う重要なポイントになります。もちろん、ちゃんとした診断は医療機関などできちんと受ける必要があります。多くの場合は、『アメリカ精神医学会診断基準第5版(DSM-V)による注意欠如/多動症の判断基準』をもとに診断されます」

親御さんとして気になるのは、AD HDの症状は大人になるにつれてよくなるのか? ということ。

「多動・衝動性については、年齢とともに思春期くらいには落ち着き、目立たなくなっていくケースが多いのですが、不注意や集中力不足については、改善されないと言われています」

ADHDの場合、誰でも努力すればできるようなことができないため、誤解を受けやすく叱責されたり軽蔑されたりすることも多いという。

「ADHDの特性を知らないがゆえに、親御さんでもわが子が怠けているのでは? 自分のしつけに問題があるのではと、叱り続けてしまうことも。しかし、本人のせいでも親御さんのせいでもないのです。ただでさえ、本人は日々自分をコントロールできない不甲斐なさを感じているのに、周りからの叱責や、冷たい対応を受けることによって、自信ややる気を失い、自暴自棄になったりしてしまうこともあるので注意が必要です。症状の程度が強く、困難なことやトラブルが多いお子さんは医師の診断を受けるなど、早めの対応をおすすめします」

もしかして…と、お子さんの行動に心当たりがある場合は、叱り続けるのではなく、お子さんの現状をしっかり把握したうえで、一日も早く特性に合った対応と工夫をしてあげましょう!

(構成・文/横田裕美子)