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「子宮頸がん」は、比較的若い年代の女性に多くみられる疾患ですが、子宮頸がんの大きな原因として、ある“性病”の存在がクローズアップされています。それは「ヒトパピローマウィルス」と呼ばれる感染症です。

 ヒトパピローマウィルスは、性経験のある女性であれば、50%以上が生涯で一度は感染するといわれている一般的なウイルスです。性交渉によって感染するため、女性の性病の一つとして考えられますが、このウイルスは常在菌なので、性交渉の相手や回数が少ない場合でも感染するリスクは高いという実に厄介なものなのです。

■定期的な検診で早期発見が可能

 ヒトパピローマウィルスに感染してから子宮頸がんを発症するまでには、一般的には10年程度かかるとされています。そのため、年に1回程度の検診で細胞診を受けておけば、病変を早い段階で把握することができます。ウイルスの感染が不安な場合には、「HPV検査」も行われています。

 ヒトパピローマウィルスは、皮膚や粘膜などにもみられる常在菌ですから、感染そのものを完全に阻止するのは難しいといわれています。子宮頸がんを予防するワクチンについても、発がんリスクの高い数種類の型に対するワクチンとなっているため、万全というわけではありません。

 現在、日本国内では子宮頸がんの発症者は1年間で1万5000人の割合とされ、そのなかで約3500人が命を失っています。さらに20〜30代の若い女性の発症者数はこの10年で2倍に膨れあがっているという報告もあります。

 ヒトパピローマウィルスは、ごくありふれたウイルスですので、感染を完全に阻止することは難しいものの、子宮頸がんの対策としては、年1回程度の検診を受けるなど「HPV検査」を行って、早期の段階の病変を見逃さないよう注意してください。