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●生活習慣病や抗加齢に期待が持てるナッツ
生活習慣病という言葉はすっかり世間に浸透し、市民権を得た。広義では「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」(厚生労働省)を意味するが、具体的には高血圧や糖尿病、脂質異常症などを指す。これらの疾患は、多くの中高年の悩みの種となっていると言えるだろう。

ではもしも、この生活習慣病リスクを低減できる食べ物があるとしたらどうだろうか。今回は、国際アンチエイジング医学会専門医であるAACクリニック銀座の院長・浜中聡子医師に、生活習慣病予防となる食材を伺った。

○強い抗酸化作用を持つビタミンE

生活習慣病のみならず、老化防止に役立ちそうな食材、それはビタミンEを豊富に含むナッツ類だ。その理由として、強い抗酸化作用を持つビタミンEは、生活習慣病や老化の原因である体内の活性酸素の増加を抑制する効果が期待できるからだ。

活性酸素とは、酸化させる力が活発な酸素のこと。殺菌能力もあるため、適量ならば体に害はないが、増えすぎるとくぎをさびさせるように私たちの体内をさびさせていく。このさびが細胞の老化を引き起こすため、生活習慣病や加齢、肌トラブルにつながっていく。

「体内ではビタミンEは細胞膜の中に多く存在しており、細胞を保護する役割を担っています。細胞は活性酸素によってウイルスから守られていますが、活性酸素が増えすぎると逆に細胞を傷つけるため、ビタミンEが過剰な活性酸素を除去しているのです」。

厚生労働省が定めた1日のビタミンE摂取量は、成人男子で9mg、成人女子で8mg。これは「必要最低限の摂取量」なので、ビタミンEの効果を期待するのであれば、少なくとも1日100〜300mgの量が必要。ただし、脂溶性のビタミンEは摂取しすぎると過剰症になると言われており、成人男子で800mg、成人女子で600mgが許容量だ。

「通常のサプリメントや食品での摂取では許容量を超えることはないです」と浜中医師は付け加えるが、高血圧で薬を服用している人は事前に医師に相談をした方がよいとのこと。

●キャビアやいくらなどでもいいが……
ビタミンEは、キャビアやいくら、うなぎといった魚介・魚卵類に比較的多く含まれている。ただ、これらの食材は価格も高く、手軽に毎日摂取するのは難しい。

そこでお勧めなのが、マカダミアナッツ、カシューナッツ、ピーナツなどに代表されるナッツ(種実)類だ。ナッツ類はビタミンEだけではなく、ミネラル類も豊富でしかも安価。特にアーモンドは、日本食品標準成分表2015年版(七訂)によると、ビタミンEの含有量は100gあたり30.3g(α-トコフェロール)と、群を抜いている。

さらに、ナッツの有用性に関するさまざまな研究も多数報告されている。例えば、ピスタチオとミックスナッツが最高・最低血圧に対してポジティブな結果をもたらしたり、アーモンドを6週間にわたり毎日10g摂取すると「善玉コレステロール」と呼ばれるHDLが有意に増加したりするなどだ。

日本の厚生労働省に相当する米国食品医薬品局(FDA)も、「ナッツ類の摂取が心疾患リスク低減につながる可能性がある」旨のヘルスクレームをナッツ製品に表示することを認めている。

○余分な味付けと食べすぎは厳禁!

魅力的なパワーを持つナッツだが、食べる際には注意も必要だ。まず、「砂糖をからめたハニーローストや油、塩を使っているタイプは避けて、素焼きタイプを選んでください」。余分な味付けをすることで、塩分や糖分過多になってしまっては意味がないというわけだ。

そして脂質やカロリーも高いため、食べすぎも厳禁。「若返りたい一心でナッツばかり食べていた女性がニキビだらけになったこともあります」と、笑えないシチュエーションに遭遇した女性もいるそうだ。一日5粒程度にとどめるのがいいだろう。

デスクワークや外回り時に小腹がすいたり、口寂(さみ)しくなったりするときもあるだろう。そのようなとき、脳に栄養を送るために甘いもの(糖分)を摂取するのも賢いが、生活習慣病予防を期待したい人はその間食をナッツに変えてみてはいかがだろうか。

※写真と本文は関係ありません

○記事監修: 浜中聡子(はまなか さとこ)

医学博士。北里大学医学部卒業。AACクリニック銀座院長。米国抗加齢医学会専門医、国際アンチエイジング医学会専門医などの資格を多数取得。アンチエイジングと精神神経学の専門家で、常に丁寧な診察で患者に接する。

(栗田智久)