By Boeing

Amazonは膨大な量の貨物の輸送を日々行っていますが、そのコスト削減とスピードアップに新たな一手を打つようです。Amazonはボーイング製の航空機「767型機」を20機リースする契約を結び、自社による貨物の輸送に乗り出すことがわかりました。

Amazon Is Leasing 20 Boeing Planes - Fortune

http://fortune.com/2016/03/09/amazon-boeing-jets/

Amazon to start air delivery network with leasing deal | Reuters

http://www.reuters.com/article/us-air-transport-sr-amazon-com-idUSKCN0WB1LA

Amazonは現地時間の2016年3月9日、20機のボーイング767型機をリース契約することを発表しました。詳細は明らかにされていませんが、使用される機体は767型機を貨物型に変更した機種と思われ、実際のオペレーションは航空機リース会社のAir Transport Services Group(ATSG)によって行われる内容になっているとのこと。

Amazonは世界中にネットワークを持ち、アメリカ国内だけでも膨大な量の貨物輸送を行っているのですが、アメリカ国内の輸送・宅配はUPSとFedEx、そしてUSポスタルサービス(アメリカ合衆国郵便公社)といった企業に大きく依存しているという現状があるとのこと。2015年だけでも、年間で実に115億ドル(約1兆3000億円)という巨額の輸送コストが発生しており、これは、2015年度の売上が1000億ドル(約11兆3000億円)を突破したAmazon.comの売上の10%以上を占めるコストとなっています。

そんな現状を打破する狙いで、Amazonは自社による航空輸送の参入へと乗り出すことになった模様。その背景はFortuneが公開している以下のムービーを見るとよくわかります。

このAmazonの動きは既存の輸送各社にも少なからず影響を与えるものとみられています。RBCキャピタルマーケットのアナリスト、ジョン・バーンズ氏は「このAmazonの施策は、FedExやUPSの輸送売上や輸送量に影響を与え、漸進的なマイナス要因となるでしょう」とコメントしています。

UPSは240機、FedExは370機の輸送機を保有して運用していますが、Amazonが20機の輸送機を運用開始することについてFedExのインテグレーテッド・マーケティングおよびコミュニケーションズ部門を担当するパトリック・フィッツジェラルド副社長は、「私たちはAmazonと密接に仕事を続けてきており、その中で同社が在庫管理のための補完的な航空輸送手段を持つことに対して必要性を感じていることを把握していました」とコメントし、Amazonは重要な顧客であるとしつつも今回の発表は想定済みという姿勢を見せています。



By Boeing

航空機のリース期間は5年から7年で、Amazonは今後5年間でATSGの株式全体のうち最大で19.9%を買い入れる権利を取得しています。この発表によりUPSとFedExの株価は1.5%下落し、一方のATSGの株価は27%上昇しています。なお、Amazonのリース機による自社航空輸送は2016年4月1日からスタートする予定です。