株主優待銘柄に注目(※イメージ)

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 ようやく日経平均は1万7千円台を回復したが、いまだ昨年末から2千円安の水準。これを好機としているのが株主優待狙いの投資家たち。値下がりした分、配当・優待利回りともに上昇。株価に底打ちの兆しが見えたこともあって、これ幸いと3月権利確定銘柄の物色を続けているのだ。

 年度末にかけて、日経平均株価がジリジリと上がってきた。同時に、ジワジワと高まってきたのが、優待狙いの投資熱。国内外の株などで2億3千万円の資産を築いた個人投資家でカリスマブロガーのwww9945氏は次のように話す。

「例年、3月権利確定銘柄は前年末ぐらいから先回り買いが入って、ジリジリ上がるものなのですが、今年は2月に日経平均が1万5千円を割り込むほど暴落。早めに優待銘柄を仕込んでいた投資家は軒並み含み損を抱えています。さらなる下落リスクを考えると手が出しにくい状況ですが、裏を返せば今が買い頃。先回りした投資家は手放せないので下値は堅く、今からでも安値で仕込めるからです。実際、私もこまめに優待拡充銘柄などをチェックしています」

 例年、マネー誌は新春号で3月末権利確定の株主優待銘柄特集を実施する。これを受けて1、2月に株価が上昇。今年で言えば3月28日の権利確定日のあとに利益確定の売り物が大量発生して急落するというのが“パターン”だった。しかし、今年は対照的に1、2月相場が低調に終わり、3月に入ってジワリと反発。そのため、今さらながら優待・配当取りの買い意欲が高まっているというのだ。 それを象徴するのが、優待銘柄の値動き。サンワカンパニーは3月1日に優待制度を変更すると発表した直後にストップ高を記録。100株以上保有する株主を対象に同社運営サイトで利用できる6千円分の割引券を贈呈する優待制度を、500株以上で同割引券3万円分、5千株以上で同35万円分に変更したところ、最大優待利回りが15%超に跳ね上がったため買いを集めた。

 同じく、2月にはオンライン英会話のレアジョブが100株以上保有の株主に対して英会話スクールのキャッシュバックチケット1万円分を贈呈する株主優待制度の新設を発表。その直後にストップ高になった。優待を拡充もしくは新設した銘柄は総じて急反発しているのだ。

 背景には、昨年6月に東証が導入した「コーポレートガバナンス・コード」と“もの言う株主”の存在がある。カブドットコム証券投資アナリストの藤井明代氏が話す。

「政府の日本再興戦略に基づき、企業が株を保有する際には合理的な説明が求められるようになりました。これにより企業間の株式持ち合いを解消する動きが加速。海外投資家の発言力が増すなかで、個人投資家をターゲットに新たな安定株主を確保しようと優待を新設する企業が増えたのだと見ています」

週刊朝日 2016年3月18日号より抜粋