堅守が売りのなでしこジャパンだが、今大会は最終ラインを中心とした守備に不安定さが目立った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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【チーム|採点・寸評】
3位 2勝1分2敗 10得点・7失点 平均採点5.40
第1節    豪州       ●1-3  採点5
第2節    韓国       △1-1  採点5.5
第3節    中国       ●1-2  採点4.5
第4節    ベトナム〇6-1採点6
第5節    北朝鮮    ○1-0  採点6
 
「最も重要」(佐々木監督)と位置付けていたオーストラリア戦を落として、悪い流れに呑み込まれてしまう。選手同士の距離間やフリーラン、ボールホルダーへのサポートは徐々に修正されたが、切り替えの際のパスミスがあまりに多く、不慣れなロングボールに頼る場面も。攻守で“自滅”する形でリオへの切符を逃してしまった。

【PHOTOハイライト】日本 1-0 北朝鮮
 
【選手|採点・寸評】
[GK]
1 福元美穂    2試合(180分)・3失点 平均採点5.50 (-/6/5/-/-)
ベテランらしく、最後方から声を張り上げてチームを鼓舞。韓国戦では渾身のPKストップを見せた一方、DFとのコミュニケーションミスからまさかの失点。取りこぼした「勝点2」はあまりに痛かった。
 
12 山根恵里奈 2試合(180分)・3失点 平均採点5.50 (4.5/-/-/-/6.5)
重要な初戦のゴールマウスを任されながら足もとがおぼつかず、最終ラインとの連係も機能不全で、チームを流れに乗せられなかった。しかし最終戦は好セーブを連発し、無失点勝利に貢献した。
 
18 山下杏也加 1試合(90分)・1失点 平均採点5.50 (-/-/-/5.5/-)
チーム最年少はベトナム戦で初先発。被シュートはPKによる1本のみで、ピンチはほとんどなかったが、試合中に声が出るシーンがまだまだ少なく、コーチングや自身の意思表示には改善の余地がある。
 
 
[DF]
2 近賀ゆかり 3試合(270分)・0得点・0アシスト 平均採点5.66 (-/6/5.5/-/5.5)
韓国戦では「滑った場所にボールがある」不運なPK判定を受けたが、経験に裏打ちされた読みを基に対人守備で存在感を発揮。インターセプトから攻撃に転じる際のパスはやや精度を欠いてしまった。
 
3 岩清水梓    3試合(270分)・0得点・1アシスト 平均採点5.33 (5.5/-/-/5/5.5)
本来は守備陣を牽引すべき存在だが、ボールウォッチャーとなっての失点やPK献上など、プレーには物足りなさが残った。ただ、自身に出番がなくとも、盛り上げ役を買って出た献身性は評価したい。
 
4 熊谷紗希    4試合(360分)・0得点・0アシスト 平均採点5.38 (5.5/5/5.5/-/5.5)
他国の屈強な選手にフィジカル負けせず、球際で懸命に身体を張る気迫を見せた。ただ裏のケアに神経をすり減らしたか、田中との譲り合いで失点したり、ビルドアップではパスミスも少なくなかった。
 
5 鮫島 彩    3試合(216分)・0得点・0アシスト 平均採点5.17 (5.5/-/4.5/-/5.5)
守備での消耗が大きく、特長である攻撃参加はパワーダウン。マークの受け渡しミスがあったオーストラリア戦、ボールホルダーへの寄せが甘くなり、簡単にシュートを許した中国戦と失点にも絡んだ。
 
13 有吉佐織    4試合(360分)・0得点・0アシスト 平均採点5.75 (5.5/6/-/6/5.5)
両SBをこなし、守備のユーティリティぶりを発揮。相手に上手く身体を寄せて突破を封じ、かわされても最後の局面で仕留めた。唯一、初戦の1失点目でデバンナに寄せ切れなかったのが悔やまれる。
 
17 田中明日菜 3試合(270分)・0得点・0アシスト 平均採点5.50 (-/6/5/5.5/-)
展開力を買われ、韓国戦から3試合連続スタメン出場。意識的にサイドチェンジを織り交ぜる構成は良かったが、パス自体にズレがありボールロストも散見。肝心の守備でも連係ミスから失点を喫した。
 
19 上尾野辺めぐみ      2試合(149分)・0得点・0アシスト 平均採点― (-/5.5/-/5/-)
安易なボールロストや入れ替わられるシーンがやや目につき、たびたびカウンターを許す場面も。守備面で後手に回る場面が多く、左足の正確なキックと非凡なパスセンスといった持ち味はほとんど出せなかった。
 
[MF]
6 阪口夢穂    3試合(270分)・0得点・1アシスト 平均採点5.17 (5.5/-/4.5/-/5.5)
オーストラリア戦で対面のゴリーに自由を与え、チームの劣勢を招いた。失点につながる横パスは審判に当たる不運があったとはいえ、中国戦ではトラップミスや球際での軽いプレーが目立ち、覇気に欠けた。
 
7 川村優理    5試合(233分)・0得点・0アシスト 平均採点5.50 (-/6.5/4/6/-)
体調不良で登録外となった宇津木と同様の役割を期待されたが、持ち前のボール奪取力は見せるも相手の勢いを止めきれず。第2戦の韓国戦では攻守に躍動するも、一転次の中国戦では中途半端なバックパスが致命的な失点を呼ぶ結果に。
 
8 宮間あや    5試合(364分)・0得点・1アシスト 平均採点5.63 (5.5/6/4.5/-/6.5)
対戦相手の徹底マークを差し引いても、キック精度を売りにする宮間らしくないパスミスが目立った。ボランチ、トップ下、サイドハーフと起用法も定まらず。主将として予選敗退の責任を重く受け止めていた。
 
9 川澄奈穂美 4試合(286分)・1得点・2アシスト 平均採点5.75 (5.5/6/5.5/6/-)
大会を通じて1得点・2アシストを記録したものの、スピードと攻守に渡ってのハードワークを存分に発揮できたとは言い難い。もう少しリスクを犯し、サイドから仕掛けてゴールを狙っても良かった。
 
14 中島依美    5試合(365分)・1得点・1アシスト 平均採点5.88 (6/-/5/6.5/6)
サイドハーフ、ボランチ、両SBと4ポジションでプレーし、左右両足から繰り出す創造性溢れるパスでチャンスメイクした。また後方からのボールに合わせてゴールを狙う高度なテクニックも光った。
[FW]
10 大儀見優季 5試合(383分)・2得点・1アシスト 平均採点5.70 (6/5.5/5.5/6.5/5)
身体を張ったポストプレー、労を惜しまないチェイシングで奮闘するなか、サポートに恵まれず孤立する場面も。10番を受け継ぎ時には厳しい言葉でチームの奮起を促したが、自らも2得点に終わった。
 
11 大野 忍    2試合(130分)・1得点・0アシスト 平均採点5.75 (5/-/-/6.5/-)
開幕戦でスタメン出場を果たすも、プレスに追われて攻撃力を発揮できず、わずか40分で交代。悔しさを秘めて臨んだベトナム戦では、スーパーミドルで代表通算40点目を挙げ、ベテランの意地を見せた。
 
15 郄瀬愛実    3試合(72分)・0得点・0アシスト 平均採点5.50(-/-/-/5.5/-)
岩渕や横山ら若手の勢いに押され、先発の機会が巡ってきたのは五輪出場が消滅したベトナム戦。ボールが回って来ず、中盤まで下りては深みを作れず、高さも不発。FW陣で唯一の無得点に終わった。
 
16 岩渕真奈    5試合(194分)・3得点・1アシスト 平均採点6.25(-/6.5/5.5/6.5/6.5)
右膝の故障を乗り越え、全試合に出場。1.5列目からどんどん仕掛けて攻撃を牽引した。3度の先制弾は評価に値するが、追加点のチャンスを逃した場面も多く、フィニッシュの精度を高めていきたい。
 
20 横山久美    5試合(328分)・2得点・0アシスト 平均採点6.00 (6/6.5/6/6/5.5)
ドリブル突破やラインブレイクで相手の守備を切り裂き、2試合連続ゴールでなでしこリーグ2部得点王の実力を証明。「個」で局面を打開できる攻撃の切り札として、今大会の数少ない光明となった。
 
監督
佐々木則夫 平均採点5.70 (5.5/6/5/6/6)
他国の徹底した“日本対策”に悪戦苦闘。様々な状況を想定した準備が行き渡らず、ワールドカップ優勝以降ベースとしてきた守備が崩れてしまった。ラスト2試合こそ連勝したものの、試合中の修正を促し切れず、チームを早い段階で好循環に導けなかったのは大きな失態だと言える。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

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