「EDには大きく分けて“中等度ED”と“完全ED”の二つのレベルがあります。前者は勃起はするが中折れなどが頻繁に起こるタイプで、後者は勃起自体がなくなります」
 こう説明するのは、『脳で感じるセックス入門』などの著者もある弘邦医院・院長のドクター林氏だ。

 EDレベルを年齢的に分けるとこうなる。
 「実は70歳までの男性は、8割程度が“中等度ED”なんです。70歳を超えると急に完全EDが増えて、半分近くの男性が全く勃たない状況に陥ります」

 意外や意外? 中折れなどはしても、基本的に男性は70歳まで勃起して当然なのだ。
 「しかし、ED患者の中には60代どころか、50代40代でも自分は“完全ED”と思い込んでいる方が多いんです」

 思い込む--と言うように、実際は勃起するはずなのだ。いったい何が原因でそうなってしまうのか。
 「メンタル面の影響です。どうやら日本人男性は、40代になった頃から“俺も性欲が落ちた”と思い込んでしまう傾向があり、50代、60代になるにつれて“俺はもうダメだ”とネガティブに捉えがちなんです」

 データからも分かるが、60代でも完全EDになるには、まだまだ早いのだ。要は“気持ちの持ちよう”にすぎないのだが、それが一番厄介でもある。
 「自分は大丈夫と思い込めれば問題ないのですが、人間はそう単純でもない。特に40代以上になると、中折れが起こりやすくなるため、どんなに自信を持って挑んでも、途中で萎えてしまった時に落ち込むのです」

 逆に言えば、この中折れを防げれば本当の自信も取り戻せるもの。そんな方法はあるのだろうか。
 「中折れが起こりやすい男性は、血液の循環が悪い。性的興奮を受けた時、脳はペニスの海綿体に血流を送るように指示します。しかし、血液の循環が悪いと持続も難しいんです。最初は元気がよくても、すぐにフニャフニャになってしまうのは、そのせいです」

 血液の循環をよくすれば、中折れ率も低くなるというわけだ。
 「そのためには、骨盤底筋群を鍛える必要があります。メジャーな方法はスクワットですが、なかなか日頃、運動をしない方だとやる前から挫折しますよね」

 確かにその通り。筋トレの中でもスクワットは、辛いトレーニングとして有名だ。
 「スクワットが難しければ、せめて時間のある時に肛門を締める運動をしましょう。具体的に言うと、5秒間肛門を締めて、5秒間緩める。この繰り返しが一番効果的だと思います」

 回数をこなしたほうがいいが、1日10回をめどに頑張る程度でOKという。
 「通勤前の電車の中でも運転中でも、デスクワークの時でも構いません。意識して肛門を締めたり緩めたりすることで、骨盤底筋群は強くなります。すると、血液の循環もよくなり、中折れがしにくくなるんです」

 そして何より大事なのは、まだまだ完全EDでないと理解すること。
 「70歳超えの男性でも、完全EDは半数にすぎません。努力次第で、男性は死ぬまで現役でいることが可能なんですよ」

 めげずに頑張ろう。

ドクター林
弘邦医院(東京・江戸川区)院長。『脳で感じるセックス入門』や『お医者さまが教える癒されてもっと気持ちよくなる!』など著書も多数。ED治療にも精通しており、現在、同医院では局部海綿体注入法による「ICI治療」も行っている。