北朝鮮戦の予想フォーメーション。佐々木監督は「勝ちに行く」メンバーで臨むと話しているが、ピッチにはどのような顔ぶれが並ぶだろうか。

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 大会初勝利を手にしたベトナム戦翌日の前日練習では、3月9日の北朝鮮戦に向けてセットプレーと攻撃展開のイメージのすり合わせを行なったという。お互いにすでに五輪出場の可能性は消滅し、事実上の“消化試合”ではあるものの、佐々木監督は「(監督という立場を)任されている以上、勝利にこだわる」と話し、選手たちも「今私たちができることはこのチームで、目の前の1試合を全力で戦うこと」(宮間)、「最後の最後まで諦めずに、泥臭く戦う姿を大勢のサポーターの方々に見せたい」(川村)と意義を語る。
 
 北朝鮮の基本システムは4-4-2。中盤に当てた後、サイドを使いながら波状攻撃を展開してくる。なかでも警戒すべきは、FWキム・ユンミだ。身長178センチの高さは圧巻で、最後はシンプルにこの長身FWに放り込んでくる形が多い。日本のフィールドプレーヤーの誰よりも大きいだけに、組織的な守備、ないしはクロスへの対策が必要だろう。
 
 一方の攻撃面では、ベトナム戦でようやく大量6得点を記録した。しかし、“格下”のベトナムとは異なり、北朝鮮はより実力の拮抗した相手(FIFAランキング6位。日本は4位)だ。これまでの試合のように中盤でパスミスを犯していては、速攻の餌食になってしまう。プレッシャーをかい潜りながらしっかりと組み立て、ゴールに迫りたい。
 
 佐々木監督はメンバー起用について「コンディションがある話」と前置きしたうえで、「フィジカルプレーに勝てる準備をする」「とにかく勝つというスタート(スタメン)」と、選手を試すよりも勝利最優先の采配を明言している。ベトナム戦でベンチスタートとなったエースの大儀見やキャプテンの宮間は、スタメンでの起用が濃厚か。
 
 一部報道では、監督や選手の去就が報じられている。その真偽は確かではないが、「このチームで戦える最後の試合」という想いは強いようだ。前日練習ではそれぞれが、北朝鮮戦への意気込みを語っている。
 
「ベトナム戦ではチーム全体が積極的に、泥臭く、前に出てプレーすることができた。これをずっとできるようになれば、もう一回世界で一番になれる。(北朝鮮戦は)今まで自分たちがやろうとしてきたこと、やってきたことは最低限出さないといけないし、そこに自分たちの未来への意思、メッセージをプレーに込められるようにしたいです」(大儀見)
 
「今いるメンバーでやるのは最後。いろんなことがひとつ、区切りを迎えるなと。最後は笑顔で終われたらいいなと思います」(岩清水)
 
「今までやってきたベースは最低限出すこと。『なでしこってこんなサッカーだったな』と感じてもらうなかで、そこからひとつでも、ふたつでも新しいものが生まれたらいいなと思います」(近賀)
 
 勝利で大会を締め括るとともに、今後の女子サッカーに一石を投じる戦いができるか。なでしこジャパンが最後の戦いに挑む。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)