7日、中国では「路上で倒れた人を助け起こすべきか否か」という議論が登場して久しいが、このほど中国のネット上に心温まる一幕が紹介され、話題になっている。資料写真。

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2016年3月7日、中国では「路上で倒れた人を助け起こすべきか否か」という議論が登場して久しいが、このほど中国のネット上に心温まる一幕が紹介され、話題になっている。

中国では、倒れている人を助け起こすと加害者扱いされ、慰謝料や治療費を要求されるという事件が頻発している。路上に監視カメラがあったり、証拠になるものがあったりすれば良いのだが、そうしたものがない場合は“被害者”の言い分が通ってしまうことがある。そのため、中国では先の「路上で倒れた人を助け起こすべきか否か」が議論になっているのだ。

あるネットユーザーによると、2月のまだ寒さが残る日、山西省を走る路線バスを降りたばかりの80過ぎとみられるおじいさんが、凍った地面に足を滑らせて転倒してしまった。おじいさんはどこか痛めたのか、なかなか立ち上がることができなかった。通勤途中だったというネットユーザーは、「助けようと歩みを速めたが、おじいさんを周囲で見守っている人たちが大勢いることに気付いた。みんなは足を止めて見ているものの、誰も助けようとしなかった。それを見て、私もちゅうちょしてしまった」とその時の様子をつづる。

すると、犬を散歩させていた若い女性がおじいさんの近くへ行き、「大丈夫ですか」と尋ねた。おじいさんに大きなけががないことがわかると、女性はおじいさんをゆっくりと助け起こして、「ご自宅まで送りましょう」といった。この時、野次馬から「じいさんはその女の犬に驚いて転んだんだ!」という声が上がったが、女性は気にすることなくおじいさんを支えながら去っていったという。この光景に、ネットユーザーは「私は彼女に親指を立てたい。お譲さん、あなたはすごい!」とコメントしている。

これに対して、ほかのネットユーザーからは、「善い行いは褒めないとね」「変なヤジを飛ばしたやつは人間じゃないな。人が善いことをしているのに冷やかすなんて」「今後はみんなが自分がやるべきことをやるようになってほしい」といった声がある一方で、「どっちにしても、おれは助けない。うちは金持ちじゃないし、もし詐欺に遭って自分に責任があるってことになったら、家中から罪人扱いだ」といった声も多くの“いいね”を集めている。それだけ、同じ考えの人が多いということだ。「『倒れている人を助け起こせない』っていうのはもはや故事成語になっている」というコメントからもわかるように、すでに中国社会に蔓延してしまったこうした空気を変えることは容易ではないのかもしれない。(翻訳・編集/北田)