キャリアアップにつながる転職をしたいなら、必ず考えておきたい3つのポイント

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多くの人が一度は“転職”について考えたことがあると思うけれど、特に年度末を迎えるこの時期は、意識する傾向にあるのでは? でも、働く女性のアドバイザー的存在として多数の著書を持つ有川真由美さんは、「転職は目先の条件だけで考えないように注意しましょう」と話す。

キャリアを転換するときに武器となるのは、仕事を通じて身に付けたスキルや目に見える実績。

「まずは、今の職場で働き続けることで得たスキルや、これから得られると想定できる実績を冷静に計る必要があります。そのうえで転職することについて考えましょう」(同)

そこで、転職前に考慮すべき3つのポイントについて、詳しく教えてもらった。
◆(1)10年後にどうなりたいかをイメージする

同じ仕事を続けるにしても、今とは違う職種に就くにしても、10年後、どんな環境、立場、仕事内容で働いていたいのかをイメージして。そして、そのためにどんなスキルや経験が必要なのかを考えてみよう。

「結婚や子育てについても考慮しておくことが大切です。2016年の4月から、労働者301人以上の大企業は、職場における女性の活躍状況を公表することが国から義務付けられるようになりました。“子育てしながら働きたい”という思いがあるなら、こうした情報を参考に、女性の産休育休後の職場復帰に力を入れている企業を探しておくのもいいでしょう」(同)

◆(2)自分の理想に近いキャリアを持つ先輩の話を聞く

10年後のイメージが湧いたら、そのイメージに近いキャリアを持つ先輩を複数名探して、話を聞いてみよう。その人たちがどういう経路で現在のキャリアを築いているのかを知ると、理想像に近づくための参考になるはず。

「転職をしたのは何歳のときで、なぜ転職しようと思ったのか、転職が成功した要因はなんだったのか…などを、詳しく聞いてみましょう。ただし、ロールモデルとなる先輩が見つからない場合もあるでしょう。その場合は、転職サイトや企業の採用サイトなどにある採用者の実例情報から、自分の10年後のイメージに近い人を探し出して、情報を探ってみるといいでしょう」(同)

◆(3)転職できる段階にいるかどうかを考える

20代なら、経験が少なくても将来性や意欲に期待した「ポテンシャル採用」の可能性があるけれど、それ以降の年齢になると即戦力が求められる傾向に。転職を考えるのなら、現在の自分自身の「即戦力がなにか」をきちんと見極める必要がある。

「足りないスキルがはっきりすれば、実力が付くまで今の職場でがんばる、スキルを身に付けるために学校に通う、部署異動を願い出る、といった選択肢が具体的に見えてきます。どんなスキルを身に付けたらいいのかわからない場合は、転職エージェントに相談するのも手です」(同)

実力があれば、給与などの条件は改善されることもあるし、実力を付けるために今の会社であと数年間働こうとがんばっているうちに、社内で実績を認められて希望の部署に異動できた、という例もある。

それでも、転職したい場合には、新しい会社が長期的に働くことができる職場か、そこで自分が望む経験を積むことができるか、を転職の第一条件にするべきとか。将来、理想のキャリアを手にするためにも、自分のスキルと今の職場をしっかり見極めて。

有川真由美
作家・写真家。化粧品会社事務、塾講師、科学館コンパニオン、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリーカメラマン、新聞社広告局編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性のアドバイザー的な存在として書籍や雑誌などに執筆。40か国以上を旅し、旅エッセイも手がける。著書は『「働く女(ひと)」の77のルール』『いつも仕事がうまくいく女の41のリスト』(以上、PHP研究所)ほか多数。