3月7日、日本代表候補が合宿をスタートした。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督のトレーニングで特徴的な1つに、GKもフィールドプレーヤーに近いほど走らせることがある。監督就任直後のトレーニングでは、GKに近寄ると最初にキックのフォームについて説明するほど、GKにも他のポジションと同じような能力を求めてくる。

所属チームが決まった川島永嗣の復帰が見込まれるGK陣で、これまでの実績で序列を付けるとすると、川島、西川周作、東口順昭になるだろう。だが、今回の合宿では張り切る林彰洋の姿が目につく。ピッチの縦を18秒で走るトレーニングでは、ぐいぐいと加速する林に、早川直樹コンディショニングコーチから「スプリントじゃないんだぞ!」というかけ声がかかるほどだった。

2007年、林はイビチャ・オシム監督によって流通経済大学在学中に日本代表候補に選出された。同じ合宿で初招集されたのが川島。その後、川島が2度のワールドカップを経験しているのに対し、林の試合出場はまだない。

前回の日本代表では悔しい思いをしたことだろう。11月にアウェイで開催されたカンボジア戦、林は自分がピッチに立つと思っていたようだった。それほどスタッフが全員のモチベーションをうまく上げていたということでもあるのだが、当人にとっては盛り上がった気持ちの持って行きようもなかったはずだ。

だが、そこで林は落ち込むことなく、さらにじっくり考えを深めてきた。林が語った正GKをつかむためのポイントは3つあった。

「日本代表でのGK像では、動けるとか、アジリティを相当求められる」

「あと一歩レベルを高くするためには、頭の違いを考えなければいけないと思っています。身体的な部分は大幅な変化はなかなかつくれないけれど、頭の部分で判断力とか変えていくことができればひと味変わるかと思っています」

「チームとしては大型のGKを多少なりとも求めている部分もあると思うので、技術的な部分で答えられるようにしたいし、シュートストップで見せていきたいと思っています」

そして林は絶え間なく研鑽を積んできたようだった。

「前以上にやれるという自信も付いてきました。全体的に自信が付くくらいのトレーニング量をやって来たし、これまでの自分は足りなかったと思うくらいのことをやってきた。前回に比べれば今回は積み重ねてきたと思っています」

初招集から9年目となる今年、念願の瞬間が訪れるか。林の猛アピールは続く。

【日本蹴球合同会社/森雅史】