ミスと焦りで悪循環へ…予選敗退のなでしこ、短期決戦で得た教訓

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「今までは、うまくいかなくてもどこかで結果が付いてくる状況が多かった」

 4日、第3節の中国戦を1−2で落とし、リオデジャネイロ・オリンピック出場が極めて難しくなった後、FW岩渕真奈はそう言って唇を噛んでいた。アジア最終予選に臨んでいる今回のなでしこジャパンにあって、今月18日に23回目の誕生日を迎える背番号16は下から3番目に若い。とはいえ、2012年のロンドン・オリンピックと昨年の女子ワールドカップ・カナダ大会に出場している“代表常連組”であり、両大会で決勝のピッチにも立っている。経験値という意味では一括りに“若手”とは言えない岩渕が、「(今までのチームとの違いは)はっきりとはわからないけど…。各個人の自信が少しずつなくなってきていたり、うまくいかない時にチームとして修正する力がなかったり…」と、かつてない困難と向き合い、もがいていた。なぜ、結果が付いてこないのか――。

 岩渕の言葉を借りれば、今までのなでしこジャパンは「悪いなりにも結果を出せていた」チームだった。不調時でも相手を上回るレベルの差をもって勝利を収め、その中で修正を施して完成度を高めつつ、白星を積み重ねていく。そんな好循環に乗ることができるチームだった。当然ながら、時として“運”や“流れ”といった不確定要素を味方につけた場合もあっただろう。主将MF宮間あやは「今までは正直、“何かに守られていたのかな”と思うくらい、『これは入らないだろう』という得点が入ったり、逆に『絶対に入っただろう』というシュートが入らなかったり(失点にならなかったり)していた」と回想している。

 実力差と“運”。今大会のなでしこジャパンには、そのいずれも足りなかった。短期決戦の初戦で躓くと、一度陥った悪循環から抜け出すことはできなかった。劣勢から巻き返し、流れを引き戻すことはできなかった。

■ライバルが徹底した“なでしこ対策”

 予選敗退が決まった後、日本サッカー協会(JFA)の野田朱美・女子委員長は「他国のレベルの進歩が著しかった。ビルドアップやボールポゼッションといった、自分たちの強みである部分を相手に出されてしまった。自分たちのストロングポイントを消されてしまった」と、今大会の印象を語っている。今までと比べて、他チームとのレベルの差は詰まっていた。そのうえ、ライバルたちはなでしこジャパンをしっかりと分析し、対策を講じていた。

 今大会は10日間で5試合を戦う短期決戦。スタートダッシュの重要性は言うまでもなく大きなものだったが、なでしこジャパンは2月29日、第1節・オーストラリア戦で完敗を喫した。“自国開催大会の初戦”という独特の緊張感に覆われる中、DF熊谷紗希は「試合への入り方が良くなかった」と反省の弁を口にする。前線からプレスをかけてきた相手にペースを乱され、ビルドアップでミスを連発。25分、警戒していたはずのクロスから先制点を許すと、41分には主審にボールが当たるアンラッキーな形から2失点目を喫した。ビハインドを負って心理的にも劣勢に立たされたなでしこジャパンは、FW大儀見優季が「少しナーバスになっていた。いかにリスクを冒してサポートに行けるか、ボール保持者を追い越していけるかがカギになる。もっとリスクを冒さないと得点を奪うことは難しい」と指摘した通り、陣形が間延びして選手間の距離が開いてしまった。そうなると、フィジカルに秀でたオーストラリアに苦戦するのは当然の成り行き。敵将のアレン・スタジッチ監督は「相手の良さを消すことに集中していた」と、納得の表情で振り返っている。なでしこジャパンは相手の術中にはまり、1−3で敗れた。

■痛恨のミスで逃した白星