がん細胞を死滅させ、なおかつ、がん免疫力を活性化させてくれる「夢の化合物」を千葉大学が発見した。2016年3月2日、同大大学院理学研究科の坂根郁夫教授らのチームが発表した。

従来の抗がん剤は、がん細胞以外の正常細胞も攻撃するのがネックになっているが、一石二鳥の働きに新薬開発が期待される。

研究チームは、「DGKa」という非常に悪質な物質に着目した。この物質は、がん細胞を増殖させ、なおかつ、がん免疫細胞のTリンパ球の増殖を抑えるという、百害あって一利なしの作用をする。逆に「DGKa」の活動を阻害する化合物を発見すれば、がん細胞の死滅と免疫細胞の活性化という両方の働きをするかもしれないと考えた。

新開発の化合物検索装置を使い、多くの化合物を分析した結果、「DGKa」の活動だけを阻害する天敵化合物「CU-3」を発見した。実際に実験すると、「CU-3」はがん細胞の死滅を誘導し、Tリンパ球を活性化させた。坂根教授は「このCU-3を使って、画期的な次世代抗がん剤の早期開発を目指したい」とコメントしている。