Adblock Plusに代表されるウェブサイトの広告を非表示にするツールは、ページの表示速度を高めたり、通信容量を節約したりできるため、利用しているユーザーは多いものです。しかし、多くのウェブコンテンツが広告収入で成り立っていることから、「広告ブロック機能はウェブコンテンツ制作者の収益を横取りしている」「広告収入が奪われれば質の高いコンテンツを作るのは不可能になってしまう」という意見もあり、その是非を問う声が高まっています。そんな中、アメリカの大手新聞社The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)のトップが「ウェブ版の紙面を広告ブロック利用者は閲覧できなくする可能性」を示唆して話題になっていましたが、ついに「広告ブロック・ブロック」テストの導入が始まったようです。

The New York Times Begins Testing Ad Blocking Approaches | Digital - AdAge

http://adage.com/article/media/york-times-a-message-ad-blockers/302995/

というわけで以下のニューヨーク・タイムズのウェブサイトにアクセスしてみます。なお、広告ブロックツールはAdblockよりも軽いことで知られる「µBlock」を使っています。

The New York Times - Breaking News, World News & Multimedia

http://www.nytimes.com/

トップページはこんな感じ。バナー広告が消えたすっきりしたデザインで、とくにこれまでと変わるところがないように見えます。ここで、リンクをクリックして個別記事ページにアクセスすると……



画面に「The best things in life aren't free.(人生で最高のものはタダではない)」と表示されました。ニューヨーク・タイムズのジャーナリズムは広告収入で成り立っているため、今後もニューヨーク・タイムズを愛読するなら2種類のサポート方法のどちらかを選んで欲しい、とのこと。



一つ目のサポート方法は「SUBSCRIBE(購読)」。「SUBSCRIBE」をクリックすると……



3.75ドル/週からの有料版の紹介&購読申し込みページが開きました。有料版なら広告ブロックされてもOKということです。



二つ目のサポート方法は「WHITELIST US(ホワイトリストへの追加)」。ホワイトリストとは、広告ブロックツールに広告ブロック機能を解除するページを指定するリストのことで、ホワイトリストにニューヨーク・タイムズを加えて欲しいとのこと。つまり、記事を読みたければ広告を表示しろというわけです。「WHITELIST US」をクリックすると……



Adblock Plus・AdBlock・µBlockという代表的な広告ブロックツールのホワイトリストの加え方の説明ページが開きました。



なお、µBlockの場合はタスクバーのアイコンをクリックして、青い電源ボタンをクリックしてページを更新する、という手順が紹介されていました。これはµBlockの広告ブロック機能をOFFにする方法で、操作後はニューヨーク・タイムズの記事を閲覧することができました。



ニューヨーク・タイムズは、広告ブロックツールによって広告収益が減少することは良質なコンテンツの維持を妨げるので、長期的には読者の利益を損ねるものだと考えており、広告ブロックツールを利用するユーザーに対して、今後もさまざまなアクションを起こしていくとのこと。質の高い報道のためのコストは避けられず、デジタルコンテンツから得られる広告収入は、ニューヨーク・タイムズに限らず多くのコンテンツ制作者にとって有力な方法の一つであることに対する理解を深めたいとしています。