幸せだニャ〜ンがアブナイ

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「うれしくて、もう死にそう!」と舞い上がる女性は多いが、ホントにそのままバッタリいってしまう例があることが、スイス・チューリッヒ大学病院の研究でわかった。

家族の事故死などの悲劇に見舞われ、ショックのあまり気を失い心臓発作を起こす例はよくある。そうした疾患をその名も「ブロークンハート症候群」(医学名:ストレス性心筋症)という。これに対し幸福感の絶頂で倒れるケースを「ハッピーハート症候群」というのだそうだ。

恋人からプロポーズされた瞬間、崖から転落死

「ブロークンハート症候群」は衝撃的なことが起こると、体中に血液を送り出す心臓の左心室の底が異常に膨張し、心筋の働きが突然弱まる病気。激しい胸の痛みと呼吸困難で心臓発作を起こし、死に至る場合もある。

2015年1月、地中海のリゾート地、スペイン領イビサ島で起きた悲劇が世界の注目を集めた。島の岬で恋人からプロポーズされた女性が、うれしさのあまり跳び上がり、崖から転落死したのだ。遺体を解剖すると死因は心臓発作とわかった。それが理由で崖から転げ落ちたのだった。

チューリッヒ大学病院のジェリナ・ガドリ医師らは、以前から「ブロークンハート症候群」の中には、不幸だけではなく、幸福のあまり倒れるケースがあるはずだと考え、世界9か国25の医療機関との間に、「ブロークンハート症候群」のデータを集めるネットワークを作った。そして1750人の症例を集めた。うち485人が精神的ショックによる発作との結論に達し、その詳細を分析した。

不幸と幸福の両方とも倒れる95%は女性

すると、約4%にあたる20人が「うれしい出来事」が原因で疾患を引き起こしたことがわかった。発作を起こす直前にこんな出来事があったのだ。「誕生パーティー」「息子の結婚式」「50年ぶりの友人との再会」「初孫の誕生」「ひいきのラグビーチームの優勝」「カジノのスロットマシーンでジャックポット(最高絵柄)出現」などだ。

ちなみに、「ブロークンハート・ハッピーハート症候群」ともに患者の約95%は女性で、大半が60代後半だった。女性が圧倒的に多い理由はわかっていない。ガドリ医師は「唯一考えられるのは、女性ホルモンのエストロゲンが、この疾患のメカニズムで何らかの役割を果たしている可能性があるということです」とコメントしている。