By J.Byerly

出版社と共謀して電子書籍の価格を操作したと認定されていた控訴裁の判断をAppleが不服として上訴していた裁判で、アメリカ最高裁はAppleの上告を却下しました。これにより、Appleは4億50000万ドル(約510億円)の賠償金を支払うことが決定しました。

Apple Rejected by U.S. Supreme Court in $450 Million E-Book Case - Bloomberg Politics

http://www.bloomberg.com/politics/articles/2016-03-07/apple-rejected-by-u-s-high-court-in-450-million-e-book-case

Supreme Court rejects Apple e-books price-fixing appeal | Reuters

http://www.reuters.com/article/us-usa-court-ebooks-idUSKCN0W91LQ

この裁判は、Appleと大手出版5社(Penguin, HarperCollins, Hachette, Simon & Schuster, Macmillan)が協定を結んで電子書籍の価格をつり上げたとしてアメリカ司法省が民事訴訟を2012年に起こしていたもので、翌2013年の第一審では「Appleの価格操作は反トラスト法(独占禁止法)違反である」という判決が下されていました。2015年6月末に行われた控訴審では第一審を支持する判決が下されてAppleが敗訴しており、これを不服として最高裁に上告していたものでしたが、今回の棄却によりApple側の敗訴が確定したことになります。

Appleが電子書籍価格操作で司法省に真っ向勝負を挑んだ裁判で敗訴 - GIGAZINE



今回の決定により、Appleは電子書籍購入者に対する4億ドル(約450億円)、司法省とともに訴訟を起こした30あまりの州に2000万ドル(約23億円)、そして原告側の法務費用として3000万ドル(約34億円)を支払うことになります。なお、購入者への支払いは今後の購入に充てることができるクレジットの形で支払うことになるとのことです。

この一連の価格操作には、普及の勢いを増していた電子書籍に対する既存の出版業界の危機感の現れという側面も存在しています。Amazonの「Kindle」のような電子ブックリーダーおよび書籍データ販売が伸びることで、従来からある紙の書籍の収益が減少することを恐れた出版社の中には、独占禁止法に反するという強引な手段を使ってでも価格を維持したいという意向を持つ企業も存在していました。

いわば「従来型の書籍vs電子書籍」の構図も垣間見えた一連の訴訟でしたが、Appleとは逆の立場だったAmazonが実物の書籍を販売する店舗をオープンさせており、2016年夏には2号店をオープンさせる予定もあるという実に興味深い状況が見られるようになっています。

Amazonがリアル書店2店舗目を2016年夏にオープン - GIGAZINE