中国メディアの観察者網は7日、北朝鮮を巡る情勢が1年内に「転換点」を迎えると予測する論説を掲載した。北朝鮮経済や中朝経済についても触れ、中国はこれ以上耐えることができない状態で、北朝鮮は別の意味で耐えられないと主張。各方面が「切り札を出した」状態になったので、情勢は1年以内に「転換点」を迎えると予測した。イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディアの観察者網は7日、北朝鮮を巡る情勢が1年内に「転換点」を迎えると予測する論説を掲載した。北朝鮮経済や中朝経済についても触れ、中国はこれ以上耐えることができない状態で、北朝鮮は別の意味で耐えられないと主張。各方面が「切り札を出した」状態になったので、情勢は1年以内に「転換点」を迎えると予測した。

 論説はまず「公平に見て、キム・ジョンウン(金正恩)は政権の座についてから、経済面でも一定の努力をした」と評価。キム・ジョンイル(金正日)時代のデノミのようなことはせず、全体的には平穏な調整を行ってきたので、経済はゆっくりとではあるが回復していると指摘。

 農業についても、化学肥料工場を建設し、稼働が始まったと指摘。また農家グループによる、生産請負制に似た方法も採用したので、2010年以降は、食料関連の国際援助はわずかなのに、最低限必要な食料生産は確保されてきたと論じた。

 しかし、北朝鮮には国際社会から孤立して経済建設を進める力はないと主張。北朝鮮の経済破綻をもたらした決定的な理由は、1990年ごろまで主要貿易国だったソ連が崩壊したためだったと指摘。1990年に42億1000万ドルだった北朝鮮の貿易総額は、98年には14億4200万ドルにまで落ち込んだと紹介した。

 そのため、安保理が3日に採択した制裁決議案(2270号決議)は、北朝鮮にとって「核保持を堅持する代償として、受け止められるかどうか」という。

 論説は、ソ連崩壊後に北朝鮮の最大の貿易相手国は中国になったと紹介。北朝鮮の貿易総額のうち、対中貿易額は3分の2程度を占めると論じた。論説は「多くのメディアが対中貿易は9割と主張するが、正しくない」と指摘。北朝鮮にとって韓国との貿易は「特殊国内取り引き」の扱いなので、対韓貿易を事実上の「貿易」とすれば、対中貿易が9割を占めることはないという。

 論説は、中国から北朝鮮への原油輸出は2014年の税関統計から「ゼロ」になっていると指摘。年間1億ドル程度の少量の製品油は輸出しているが、「工業の血液」とする最低水準に抑えているという。

 安保理の2270号決議が出た後も、中国は庶民の生活への影響が大きくなりすぎることを避けるため、石油製品の全面輸出停止はしないだろうが、それでもある程度までの削減は行うと考えられるという。

 また、北朝鮮からの石炭など鉱物資源の輸入はストップさせるので、北朝鮮の外貨収入はこれまでの半分程度になる。さらに北朝鮮との金融取引も凍結される。北朝鮮の受ける打撃は、核開発にともない制裁を受けていた当時のイランよりもはるかに大きいという。

 記事は、北朝鮮は中国に対して、朝鮮戦争などの「歴史的資源」と、東北地方や華北地方の「海へのゲート」にもなっている「地政学的意義」を、ここまで利用すべきではなかったと指摘。中国の反対を押し切って核実験や長距離ミサイルの発射という「後ろから刺す」北朝鮮に対して、中国は「もう耐えられない」と判断したからこそ「ここまで厳しい制裁決議に直接賛成した」と論じた。

 記事は、北朝鮮の外貨収入が落ち込んでしまえば、このところ改善されてきた庶民の生活状況が深刻な悪影響を受けると指摘。このことは、同国上層部にとって極めて厳しい状況がもたらされることを意味すると主張。

 いずれにせよ、北朝鮮情勢については、各方面が「切り札を出した」状態になったので、1年以内に「転換点」を迎えると予測した。(編集担当:如月隼人)イメージ写真提供:123RF)