久しぶりに運動しちゃった。そんなあなたへ、筋肉痛の予防と治し方

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執筆者:井上愛子(保健師)
監修医:坂本忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)


健康のために、定期的に運動するのは好ましいことですが、慣れない運動をすると筋肉痛になることがあります。今回、30代男性から「最近健康のために週末に1時間のランニングを始めましたが、筋肉痛がひどいです。どうしたらいいですか」という相談がありました。筋肉痛の原因と予防、対策についてご紹介します。

そもそも筋肉痛は何故起こる?


筋肉痛になる大きな原因は、日頃の運動不足にあります。普段使わない筋肉を急に使ったり、同じ筋肉を使い過ぎると、筋線維やその周りの結合組織が傷ついてしまいます。傷ついた筋線維や結合組織が炎症を起こし、その際に発生する刺激物質(プロスタグランジンやヒスタミンなど)が筋膜を刺激することで、痛みが生じると考えられています。

筋肉痛になったらどう対処する?


筋肉痛の多くはセルフケアで改善されます。筋肉痛を早く治すには、血流改善と筋肉の損傷回復がポイントです。次のことを心がけましょう。

血流を良くする


38℃位のぬるめのお風呂にゆっくり浸かる、ストレッチをするなどで、血流が良くなり、酸素が体中をめぐって栄養素が体内に行き渡ります。同時にリンパ液の流れも良くなり、老廃物の体外への排泄作用を促進します。また、運動で硬くなった筋肉のコリを解消する効果もあります。

バランスの良い食事を摂る


運動した日は筋肉を補修する効果のあるたんぱく質とともに、血行促進効果のあるビタミンC、Eを意識して摂りましょう。

しっかり休息をとる


睡眠時に分泌される成長ホルモンは、筋肉の損傷と疲労を回復させます。

ただし、「1週間以上経っても痛みやこわばりが取れない」「局所に急激な痛みがある」といった場合は病気やケガが隠れていることもあります。医療機関を受診しましょう。

筋肉痛を予防するには?


筋肉痛の予防には、運動による筋肉への負担を日頃から少なくしておくのがポイントです。具体例に紹介します。

運動前後にストレッチを行う


運動前のストレッチは筋肉の柔軟性を高め、筋肉痛のほか、ケガの予防にもなります。運動直後はストレッチやウォーキングでクールダウンしましょう。急に休むと大量の血液が筋肉中に留まり、血行が悪くなって筋肉痛の原因となります。

軽い負荷から徐々に強くする


運動を始める時は急に強い負荷をかけることは避けましょう。軽い運動から始め、体が慣れてきたら徐々に負荷を強くしていきましょう。

日頃から運動習慣をつけ、筋肉を発達させておく


運動を始めたら習慣化することです。筋肉は使わなくなると、どんどん細くなり、運動時に損傷を起こしやすくなってしまいます。

運動前後に分岐鎖アミノ酸製剤(BCAA)を摂取する


運動をすると、筋肉は必要なエネルギーを得るために、体内のBCAAが分解しますが、分解が進むと、筋線維が損傷してしまい、筋肉痛へとつながります。そこで、運動前後にBCAAを補給することによって、この筋たんぱく質の分解が抑制され、筋肉痛を予防することができます。

日頃からの生活習慣も大切


相談者のように、30代男性には日頃運動不足の人も多いでしょう。再度筋肉痛にならないために、日頃から運動不足を解消し、バランスの良い食事を心がけることが大切でしょう。

また、運動をすると筋けいれん(こむら返り)を起こしてしまう人もいると思いますが、これは激しい運動により、脱水状態になることが関連しています。思い当たる人は、運動前の水分補給も心がけましょう。