中2日の休養が得られたこと、もう後がないことを考えるとベストメンバーで臨むと考えられる。中国戦でゴールを挙げた横山は、前戦に続き2トップの一角での起用か。

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 3試合を終えて未だ勝利のない日本は、1分2敗の勝点1で6チーム中5位のまま。すでに自力での五輪出場(2位以内)は潰えている。残されたわずかな可能性に懸けるには、残り2試合に連勝し、中国が連敗することが絶対条件だ。
 
 そのうえで北朝鮮が7日のオーストラリア戦で引き分け以下、韓国が9日のベトナム戦に勝利しないことが必要になる。ベトナム戦前に行なわれる中国と韓国の結果次第では、試合前に“終戦”となってしまう厳しい状況だが、「今はまだ最悪(の事態)を考えるべきではない」(鮫島)だろう。
 
 今大会で唯一2次予選から勝ち上がってきたベトナムは、4-4-2をベースに中央を固め、相手の攻撃を凌いで素早くカウンターを狙ってくる。3試合を終えて無得点と結果は出ていないとはいえ、エースストライカーのグエン・ティ・ミン・グエットを中心に、中国(0-1)や北朝鮮(0-1)に善戦するなど決して侮れない。佐々木監督も「以前に比べて守備の意識が変わり、基本がしっかりしている」と警戒する。
 
 韓国、中国戦は相手に先制点を奪われ、苦しい展開を強いられた。奪った後の速攻(ショートカウンター)は、過去に対戦してきた3か国も徹底してきたことであり、しっかりと対策を立てて無失点で切り抜けたいところだ。
 
 攻撃面では、アクシデント的な失点の可能性も想定すると、複数得点は必須事項だ。前日練習は組み立てや、セットプレーの動きを確認したという。キャプテンの宮間は「1試合ごとに修正できている」と話すものの、依然パスミスやイメージのズレなど改善点は多い。今大会、ボランチ、左サイドハーフ、トップ下と起用が定まらない宮間の使いどころはひとつのポイントになるが、いずれにしてもボールを動かすサッカーに立ち帰り、攻撃の起点である彼女をどれだけ自由にプレーさせられるかが求められる。
 
 ベトナム戦は、今大会初の中2日で迎える。3連戦でピークに達した疲労も、多少は取り除けたはず。もう後がないことを考えても、ベストメンバーで臨むと考えるのが妥当だろう。中国戦でゴールを挙げた横山は、前戦に続き2トップの一角での起用か。
 
 大儀見は苦しい状況を真摯に受け止めつつも、良い意味での「開き直り」が必要だと話す。
 
「こうやってどん底に立たされて、逆境にいる状況をチャンスだと捉えられたら、私自身も、チームとしても、少しは前に進めるんじゃないかと思う」
 
 監督、選手を含めてチームが「一枚岩となって、(自分たちを)信じて戦う」(宮間)のを大前提に、「観ている人になにか伝わるプレーをする」(有吉)。それがピッチ上で表現されれば、ベトナム戦の勝利、そして今のなでしこジャパンが前に進むきっかけが見えてくるはずだ。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)