【なでしこプレビュー】可能性はゼロに近くとも五輪の先を見据えた戦いに《リオ五輪アジア最終予選》

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▽首の皮一枚つながっているという言葉が最もふさわしいかもしれない。もはや、絶望的となったリオ五輪出場権。第3戦の中国代表戦を2-1で落としたなでしこジャパンにとって、4大会連続の五輪出場は現実的なものではなくなってしまった。

▽それでも、残り2戦。可能性はゼロではない。リオ五輪以降の事を考えても、しっかりと戦い、白星を2つ掴むことは重要となる。第4戦の相手はベトナム女子代表。最終予選出場国の中で、唯一2次予選を勝ち上がってきたチームであり、東南アジアの強豪国である。

◆失意の敗戦…

▽オーストラリア、韓国と2戦続けて白星を逃したなでしこジャパンにとって、第3戦の中国戦は勝利以外の結果は許されない状況だった。序盤から攻勢に出ていた日本だったが、1つのミスから失点。1点ビハインドで迎えた後半も、ミドルシュートで加点を許し、反撃も横山のゴールのみに終わった。

▽攻勢を見せる展開でもありながら、試合中から意思疎通の乱れを感じ、パスミスや判断ミスが散見。過去2試合と同じように、自滅していったように見えた。前線の大儀見には良いボールを供給できず、宮間がボールを持っても効果的なパスがでない。前を向いてボールを持っていても、後ろにパスを出してしまう…消極的にも見えたプレーが続いた結果、後手を踏み、勝ち点を取れないまま試合は終了した。

◆リオ五輪の先へ

▽昨年のカナダ女子ワールドカップから、およそ8カ月─カナダで粘り強さを見せて決勝まで勝ち進んだなでしこジャパンの姿はそこになく、前を向き、上を目指した姿は鳴りを潜めているように思えてならない。数字上の可能性はゼロではないものの、事実上はゼロに等しい状態。目先の2試合の勝利を──とは思うものの、現実的にはその先を見据えた姿を見せてもらいたいとも思う。

▽今大会のメンバーを見ると、ワールドカップや五輪、アジアカップなどなでしこジャパンの栄光の時代を経験した選手が多い。逆に、将来性のある若手選手は圧倒的に少ないとも言える。

▽4年後の2020年は、開催国枠として五輪に出場することができる。つまり、次回のオリンピックまでに厳しい予選を戦うことができるのはあと2試合であり、ワールドカップやアジアカップを考えれば、若手の成長なしでは未来がないとも言えるだろう。出場国の中で最も力が劣るベトナム相手だけに、先を見据えたメンバーで戦う決断も必要なように感じる。

◆好調を維持するメンバーを

▽オリンピック出場権を諦めるという意味ではなく、ベトナム戦は若手主体で臨んでもらいたい。ここまで出場機会がないGK山下杏也加(20)や、中国戦で得点を決めたFW横山久美(22)、ここまで先発がないFW岩渕真奈(22)、高い得点力を誇るFW郄瀬愛実(25)らに期待したい。

▽逆に、ベテラン勢が起用されるのであれば、これまでの経験をしっかりと活かし、なでしこジャパンらしいサッカーを見せるためにプレーしてもらいたい。リオ五輪出場の切符を逃したとしても、しっかりと勝って終わることができるのか。ベトナム戦は7日(月)の19時35分にキックオフを迎える。

◆注目ポイント

佐々木則夫監督

▽ここまでの3戦、今までのなでしこジャパンらしさを見ることは一度もなかった。その全責任を背負っている佐々木監督は、中国戦後にゴール裏にいるサポーターの下に足を運んだ。進退の話も出てきた中、残り2戦をどのように戦うのか。この先のなでしこジャパンに繋がるメンバーを選びや戦いを見せてもらいたい。