2005年の反日デモで「日本帝国主義を打倒せよ」と叫び、日本大使館にゴミを投げつけた「愛国志士」たち。その多くは日本に行ったことがなく、日本について何も知らなかった一方で、日本に対する好奇心を持っていたかもしれない。10年が経った今も、彼らは「愛国志士」でいるのだろうか。

 中国メディア・捜狐は3日、そんな「愛国志士」だった1人が自身の日本に対する無知と好奇心を告白したうえで、このほど日本への自由旅行に出かけて「本当の日本」を理解したとする文章を掲載した。

 文章はまず、自身が歴史や古い文化を好み、日本の伝統文化が中国を源としながら明らかに中国とは異なっている部分を持っていることに興味を持ち、それを旅行のテーマにしたことを紹介。「ツアーの多くは買い物やディズニー、富士山などがメインで満足できないので、自由旅行を選んだ」としている。この記述からも、中国人観光客イコール「爆買い」という見方がステレオタイプであることが伺えるようだ。

 文章はそのうえで、靖国神社、一般の神社、明治神宮、皇居といった場所を巡ったとし、靖国神社については「決して大きくなく、参拝するのも政治家や戦争の罪を頑なに認めない年配の人が多い。日本の主流文化や大衆の視点を代表するものではないことが見て分かった」と説明。一般の神社については、静かな雰囲気と簡素なしきたりを特徴する、日本人にとって最も純朴な宗教信仰であると紹介している。

 明治神宮と皇居に関しては、おもに明治天皇について言及。朝鮮や中国との戦争を発動したことで議論はあるものの「何といってもアジアを率いて現代化と向かわせた君主なのである」とした。

 そして記事は最後に、実際に目で見た日本人について論じている。日本人は礼儀正しく友好的であるほか、年配者を敬うという儒家の精神が根付いていると紹介。「日本人は儒家文化の道徳を伝承してきたことで、礼儀の国となったのだ。中国人はその品位を捨ててしまった。どうやってこの優れた伝統を復活させ、日本人より秩序正しく、礼儀や友好を重んじるようになるかこと、愛国志士が考えるべきことなのだ」と論じた。

 そして「日中両国が早く恨みを離れ、ともに東アジア文化を発揚させるために努力するようになることを願いたい」と結んでいる。

 日本を訪れる中国人観光客の増加は、単に日本の観光業界や小売業界を潤すだけではない。日本に対する理解を深めたり、認識を改めたりするうえでも大きな意味を持っているのである。中国人観光客の訪日におけるトラブルも確かにあるが、訪れる側も迎える側も慣れないゆえの摩擦によるものが少なくないのではないか。双方の努力や歩み寄りによって徐々に減っていくものと信じたい。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Hirotaka Ihara/123RF)