“実質0円”じゃなかった「Y!mobile 版iPhone 5s」はお得なのか?
 大手3キャリアよりもリーズナブルに音声通話とデータ通信が行える「Y!mobile」の端末ラインナップに、待望の「iPhone」が追加された。「iPhone SEの発売を間近に控え、今さら何を?」といった声がある一方、記者向けの事前案内では「端末価格が“実質0円”となるプランもある」といったアナウンスもあり、発売前から注目を集めていた。

 昨日(3/4)いよいよ発売になった「Y!mobile版iPhone 5s」、そのラインナップ詳細と価格をチェックしてみることにしよう。

◆新規ラインナップはiPhone5sの16GBと32GBモデル

 Y!mobileが3月4日にラインナップしたiPhoneは、2世代前の「iPhone5s」の16GB、32GBモデルのふたつ。価格は、一括購入価格で16GBモデルが6万3504円(税込)、32GBモデルが6万9984円(税込)となっている。

 この価格は、現在Appleストアでの公式販売価格と同じものとなっているが、SIMフリーの公式販売モデルに対し、Y!mobileの端末はSIMロックが施されたものとなっている。月々の割引額が適用されることにより、16GBモデルなら月額の実質負担金は108円〜1080円(税込)、32GBモデルの場合は108円〜1350円(税込)といった金額となる。

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◆実質価格は契約プランによって異なる

 Y!mobileが取り扱いを開始したiPhone5sは、契約プランによって端末の実質負担金が変わってくるのが特徴だ。現在、提供されているプランは、すべて音声通話込みの価格で1GB通信が行える「スマホプランS」が2980円、3GB通信が行える「スマホプランM」で3980円、もっとも容量の大きな7GB通信の「スマホプランL」が5980円となっている。スマホプランL契約時がもっとも端末の月々の実質負担金が少なく、16GBと32GBともに108円、もっともリーズナブルなスマホプランSで16GBが1080円、32GBで1350円となっている。

 ちなみに、2月22日の記者発表時には、スマホプランLで契約すると、端末の24回の分割価格と同じ金額の割引を受けられ、端末が“実質0円”になる形としていただけに、一部メディアからは批判の声も上がっている。

 ここで、16GBモデルを例として大手3社の料金と比較してみよう。Y!mobileは、iPhone5s、大手3社は最新のiPhone6sを選択し、データ通信は全社がラインナップする5GBを選択。音声通話はY!mobileは10分以内の通話なら300回まで通話できるため、大手3社は5分以内の通話し放題プランをそれぞれ適用した価格で比較を行ってみる。

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 上の表は、割引などは一切適用しない価格となっているが、ほぼ同条件の通話と通信プランを選択した場合、Y!mobileと大手3社の価格差は月1500円程度に収まっている。これにスマートバリューやMNPなどの割引が適用されれば、差はさらに縮まることになる。

 加えて、iPhone5sと最新のiPhone6sとではスペック面はもちろん、機能面の差も大きい。Y!mobileのiPhone販売価格は、新規ユーザーやMNPだけでなく機種変更する既存ユーザーも同価格となっている。そのため、既存ユーザーの機種変更ならお得感があるものの、わざわざMNPや新規に申し込むとメリットは高くないと言わざるを得ないだろう。

◆安さだけを求めるなら検討の余地アリ! ただし、買い替えまでのスパンは短い

 大手3キャリアと契約し、最新のiPhone6s購入しても価格差がさほど大きくない以上、約2年以上前にリリースされた旧モデルを敢えて購入する必要性は、「とにかく安くiPhoneを持ちたい」と言ったユーザー以外には無いと言える。

 iPhoneの利点は、最新OSを旧モデルに導入できる点にあるが、現在最新のiOS9.2.1はiPhone4s以降の端末を対象にしたものとなっている。逆に言えば、iPhone4以前の端末は非対応ということだ。

 いまiPhone5sを選択した場合、ここ2年間程度なら問題にならないものの、それ以上の利用することを考えると、最新OSへのアップデートが非対応になってしまう可能性も考慮しなければならない。長期利用を前提とするなら、アップデートの心配がしばらくは不要でスペックの高いiPhone6以降のモデルを選択するのが賢い選択と言えそうだ。<文・写真・図版/古作光徳>

【古作光徳】
パソコン関連誌の編集部を経て、2006年にライターとして独立。主にパソコンやスマホ、家電関連誌などを中心に活動中。近年は車やバイク、将棋など、趣味関連誌の執筆や編集にも携わっている。