昨年9月の「抗日戦争勝利70周年軍事パレード」で、中韓首脳が天安門上に並び、蜜月ぶりを見せつけてから半年。北朝鮮対応をめぐり、両国関係に「距離」が生じている。写真は北朝鮮。

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2016年3月4日、北朝鮮による「水爆実験」、ミサイル発射を機に、中国と韓国の間に「距離」が生じている。昨年9月、北京で行われた「抗日戦争勝利70周年軍事パレード」で、中韓首脳は天安門上に並び、蜜月ぶりを見せつけた。それからわずか半年。両国関係は様変わりしつつある。

韓国が中国に不信感を抱くのは、北朝鮮による一連の挑発行為を中国が本気で阻止しようとしたか、に疑問符が付くからだ。

2月9日のミサイル発射直前、中国は北朝鮮核問題6カ国協議の議長を務める武大偉朝鮮半島問題特別代表を平壌に派遣。自制を求めたとされるが、何の効果もなかった。国連安全保障理事会による制裁強化に関しても「北朝鮮の人々の生活に影響が及んではならない」(2月25日に米ワシントンで講演した王毅外相)などと、消極的な態度に終始した。

韓国は今回、経済的損失をも覚悟して開城工業団地の閉鎖に踏み切った。これは自らの「本気度」を国際社会、特に中国に見せ、より強力な対応を促すためだったとの見方もある。

一方、中国はミサイル発射を受け、韓国が米国と終末高高度防衛(THAAD)ミサイルの在韓米軍への配備に向けた公式協議を開始する方針を打ち出したことに反発している。

THAADは、米国が開発した地上配備型・移動式迎撃ミサイルシステムで、最長射程200キロ、最長迎撃高度150キロ。大気圏外で迎撃できなかった弾道ミサイルを大気圏内に再突入する段階で撃ち落とす。

ミサイル発射装置、「TPY−2 」と呼ばれる車載式の早期警戒Xバンドレーダーなどで構成し、TPY−2の探知範囲は1000キロ以上とされる。在韓米軍に配備されれば、中国やロシアも探知範囲となるため、中国は「北東アジアの軍事バランスを崩しかねない」と警戒している。

韓国メディアなどによると、中国の邱国洪駐韓大使は2月23日、韓国最大野党「共に民主党」の金鍾仁非常対策委員会代表と会談した際、THAAD配備の動きに「強い反対」を表明し、「良好な中韓関係が破壊される」と警告した。韓国大統領府報道官は翌24日、「自衛的な措置だ」と反論。ぎくしゃくした関係をのぞかせた。

韓国・聯合ニュースによると、昨年10〜12月期の韓国の対中貿易額は756億ドル(約8兆8500億円)で、日本の対中貿易額717億ドルを上回り、米国に次ぐ2位となった。昨年12月に中韓自由貿易協定(FTA)が発効されたことで両国間の貿易がより拡大し、今年からは年間ベースでも日本を上回るとみられている。韓国の昨年1〜11月の対中投資額も37億ドルを記録し、日本の投資額より7億ドル多かった。

北朝鮮と厳しく対峙(たいじ)しながら、経済的な結び付きが深まった中国とどう向き合っていくのか。韓国外交のかじ取りは難しい局面を迎えている。(編集/日向)