「普段は青いマスクで予防し、風邪に罹ってしまったら黄色のマスクをして他人への感染を防ぎましょう」……そんな話、聞いたことあるだろうか。中国共産党機関紙・人民日報系の健康情報紙、生命日報は4日、日本人が「いつも青と黄色の2種類のマスクを携帯している」とまことしやかに報じている。(イメージ写真提供:123RF) 

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 「普段は青いマスクをして風邪などの感染を防ぎ、風邪に罹ってしまったら黄色のマスクをして他人への感染を防ぎましょう」……そんな話、聞いたことある人はいるだろうか。中国共産党機関紙・人民日報系の健康情報紙、生命日報は4日、日本人が「いつも青と黄色の2種類のマスクを携帯している」とまことしやかに報じている。

 記事は、「マスクは外からのウイルス進入を防ぐ機能しかないというイメージがある」としたうえで、「実は日本では黄色のマスクが普通の青いマスクと同じ場所に置かれているのを至るところで目にする。これは風邪の患者用で、自分の病気を他人にうつさないためのものだ」と説明した。

 さらに記事によると、この黄色いマスクはもともと手術用マスクと称され、医療スタッフのために作られたものだとか。濾過性が高く、容易に落ちない仕組みになっており、このマスクのおかげで「日本の手術室では感染発生率が非常に低い」そうである。それが巷で評判となり、今では風邪をひいた人が黄色いマスクをして周囲に「青いマスクをしてください」と促すような光景が地下鉄などの至るところで見られるという。

 そして、この現象は「他人に迷惑をかけない」という理念が国民1人1人に深く根差している証左であると解説。「風邪をひいたのに黄色いマスクを忘れるというのは、非常に失礼なことになり、本人は非常に羞恥心を覚える。自分が病気になる以上に不安を覚えさえするのだ」と論じている。

 ……どうしてそうなるのか。記事の話が本当であるなら、今の時期日本中で青と黄色のマスクの花が咲き乱れていそうなものだが、そんな光景は見たことがない。青は確かに結構見かけるが、大半はやっぱり白ではなかろうか。

 日本の優れた点を紹介して自国の参考とするのは大変結構なことと思うが、「黄色いマスクをどこでも見かける」、「みんな風邪をひいたら黄色いマスク」など、リアルでない話をさもリアルそうに紹介されるのにはいささか閉口する。しかも、共産党機関紙系のメディアがやってしまうところが「中国らしい」と言わざるを得ない。彼らにしてみれば、本当の日本の状況などどうでもよくて、単に中国社会の衛生観念を改善させてマスクを普及させたいだけなのかもしれない。

 本当に「他人に迷惑をかけ」たくないのであれば、おとなしく家で養生するべきである。仮にインフルエンザであれば、なおさらだ。風邪でやむを得ぬ事情により外出する際には、マスク装着は必須。しかしわざわざ自分から「風邪ひいてます」とアピールしようとする「奇特な方」など、いったいどれほどいるのか。

 かくして、中国国内に出回る日本に対する新たな「神話」が、また1つ誕生したのである。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)