なでしこジャパンだけではない、栄光から一転して地獄を見た3つの代表チーム

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なでしこジャパンのリオ五輪が絶望的な状況に追い込まれた。4日の中国代表戦を1-2で落とし、3試合を終えて1分2敗の勝ち点1。数字上は可能性を残すものの2位中国との勝ち点差は6あり五輪出場はほぼ絶望となった格好だ。

ワールドカップ優勝、ロンドン五輪準優勝と女子サッカー界を代表する強豪チームが一転、各地域の予選で姿を消してしまう。にわかには考えられないことだが、サッカー界では珍しいことではなかったのだ。ここでは、先例をいくつか紹介しよう。

フランス代表のケース

1984年のEUROで優勝し、1986年のワールドカップで3位と欧州を代表する強豪チームだったのがフランス代表だ。

キャプテンである“皇帝”ミシェル・プラティニをはじめ、アラン・ジレス、ルイス・フェルナンデズ、ジャン・ティガナら多くのタレントを兼ね備え“ヨーロッパのブラジル”、”(中盤のことを指す)マジカルスクウェア”というニックネームで恐れられていた。

だが、1988年のEUROで予選落ち、続く1990年のワールドカップにも出場することはできず。フランスは長らく低迷することになり、若手の育成に力を入れる体制作りへと変化していった。

結果的に、ジネディーヌ・ジダンらを擁し1998年のワールドカップ、EURO2000と2つの大会で続けて優勝をすることになる。

なでしこジャパンも澤穂希に続く10番の下、10年後のワールドカップで優勝することはできるだろうか?

ベルギー代表のケース

1986年ワールドカップで4位に輝いたベルギー代表も長い間世代交代に苦しんだチームの1つである。

1998年ワールドカップの頃にはエンツォ・シーフォらベテランのタレントが多すぎて苦しいのではないか?と言われていたが、2002年のワールドカップではベスト16に入るなど“チーム作りの妙で”耐えていた。

しかし、ロベール・ワセイジュが代表監督を退いた2002年ワールドカップ以降は大きく低迷、EURO2004からEURO2012まで主要な大会の予選をすべて通過することができなかった。

2014年ワールドカップではベスト8入りし、現在では、FIFAランク首位として“世界で一番強いチーム”の地位を持つベルギー代表。変革を促したのはフランスと同じく「若手の育成」であり、今では湯水のように若いタレントが沸き上がっている。

なでしこジャパンもアンダー世代のタレントがフル代表にたくさん呼ばれるようになり、アメリカらを抜いて世界ランク1位になることはあるだろうか?

ドイツ代表のケース

今では、世界で一番堅実なチームという印象が強いドイツ代表。彼らだって苦しい時期はあったのだ。1998年のワールドカップでベスト8、EURO2000でグループステージ敗退の頃である。

特に、EURO2000の頃には攻撃陣を中心に深刻な世代交代の遅れが目立っており、フレディ・ボビッチら“過去の”選手が再招集されるなど決め手に欠く状況だった。

当時期待の若手だったセバスティアン・ダイスラーを擁したEURO2000は1分2敗でグループ最下位、得点は僅かに1であった。

そこから2002年ワールドカップで準優勝とすぐに立て直したのはさすがであるが、どんなチームだって“谷”はあるのだ。

なでしこジャパンも2年後のワールドカップですぐに立て直し、アメリカ、ドイツらと並ぶ強豪チームとして君臨し続けることはできるだろうか?

3つのケースから学ぶこと

今回は、3つのケースを紹介した。この3つのケースに共通しているのが、全て若手の育成・突き上げがあってこそ、何年も代表チームで活躍してきた“過去の英雄”を退けていったということだ。(複雑に見て行けばこの3チームは移民を多くチームに取り込んだとも言えるのだが、今回はそこは割愛する。)

なでしこジャパンを率いてきた佐々木則夫監督は、親善試合などで積極的に若手を試してきたがなかなかワールドカップ優勝メンバーを脅かす存在は出てこなかった。

日本のユース代表選手たちはアンダー世代で結果を残していないわけではないが、A代表の壁はそう簡単にやぶれるものではない。だが、そこを破らない限りなでしこジャパンの再興はないだろう。

退任すると見られる佐々木監督の後任にかかる責任は非常に重い。