ただでさえ辛い花粉症だが、昨今は中国から襲来する「PM2.5」、さらに黄砂も加わり、まさにトリプルパンチだ。「PM2.5」でお馴染みとなった、車の排ガスなどにも含まれる窒素化合物が花粉を凶悪化させるとも言われ、経験したことのない“渇いた咳”や息苦しさなどが襲うのだ。
 黒坂メディカルクリニックの黒坂正雄院長は言う。
 「鼻の調子もおかしくなり口呼吸に変わるが、夜に喉の渇きから炎症が起こる。それ以外にも、喉にある口蓋扁桃という場所に花粉が付着してアレルギー反応を起こして、喉の痛みや痒みを生じる場合があります。唾液の量が減って喉の粘膜が弱くなっていることも考えられますので、まずは病院での診察をお勧めします」(黒坂院長)

 花粉を吸っていると徐々に抗体が増え、ある日突然発病する花粉症。もちろん、どの程度の抗体があれば花粉症の症状が出るかは、粘膜の敏感さで異なる。
 「一般的には、粘膜が敏感であれば抗体値が低くても発病します。しかし、ゴルフに行ってスギ林にボールを打ち込み、“花粉シャワー”を浴びた後に発病したという話をよく聞く。また、抗体がある程度の量となったところで大量の花粉を吸い、強い刺激を受けた時に発病する場合もあるのです」(同)
 抗体の量を測り陽性であれば、近い将来には花粉症になる可能性は高くなるが、逆に陽性であっても発病しない場合もあるという。ただし、年齢を重ねるごとに発病の割合が増えるため、安心はできない。

 また、花粉症で最も厄介なのは、合併症が起きる点だ。専門家のアドバイスによると、次の三つに分けられる。
 一つ目は「結膜炎」。眼の周辺の痒みなどの異常さは、鼻に花粉症の症状が出始めた時に見られ、治療法は点眼薬の使用が中心。抗スタミン剤や抗アレルギー剤も適時併用する。症状が重くなるとステロイドの点眼薬を使うが、緑内障の副作用や細菌感染の悪化を招くことがあるので、眼科医の管理のもとで使用する。

 二つ目は、「気管支喘息」だ。スギではほとんど喘息は起こさないが、シラカバやハンノキ、イネ科牧草の花粉でしばしば合併する。
 すでに喘息に対する薬を投与している場合、花粉症の薬と重複することがある。そのため、常用している薬名を記憶しておく必要がある。また、気管支拡張薬は鼻が詰まり、旧型抗スタミン剤は痰が喉にからみ切れにくくなるなどの特徴がある。

 三つ目は、「食物アレルギー」。特にリンゴやトマトなどの食物アレルギーを合併すると、二度と口にすることができなくなる。
 果物や野菜の成分が口の粘膜に触れてアレルギー症を引き起こし、喉荒れや唇の腫れ、首にかけての発疹、加えて咳も出る。このアレルギ-反応は、「口腔アレルギー症候群」とも呼ばれる。もちろん、アレルギーを起こす花粉の種類によって併発しやすい果物や野菜の種類は違う。特にスギ花粉症の人は、トマトに反応しやすいと言われる。