大儀見辛辣「ピッチに立つ以前の問題」「経験に頼ってしまっている」

写真拡大

[3.4 リオ五輪女子アジア最終予選 日本1-2中国 金鳥スタ]

 試合後のFW大儀見優季の指摘は、チームのまとまりのなさを象徴しているかのようだった。「ピッチに立つ以前の問題」「経験に頼ってしまっている」。背番号10は不満を爆発させた。

 試合終了の瞬間、大儀見はその場から動くことが出来なかった。目頭を覆う大儀見に、テレビインタビューを終えたキャプテン宮間あやが肩を抱くようにして近づく。日本女子代表(なでしこジャパン)の象徴である背番号8と背番号10は、その場で深々と頭を下げることしかできなかった。

 日本女子サッカー界のために、絶対に勝たなければいけない試合だと分かっていた。リオデジャネイロ五輪の自力での出場権獲得の可能性は消滅していたが、勝てば可能性がグッと近づく一戦だった。この試合にどう勝つか。大儀見も「この試合に負けることが何を意味するのか理解していた」。

 しかし結果は前半14分にミスから失点すると、後半13分もミドルシュートから追加点を献上。同20分にFW横山久美のゴールで一矢報いたが、以後、なでしこに反撃の機会が訪れることはなかった。

 大儀見は辛辣だった。「ピッチに立つ以前の問題で負けていた。どの試合も相手の勝ちたいという思いの方が強かった」。本当に勝ちたいと思っているのか。チームメートへの歯がゆさが口をついて出た。

「相手の実力が上がっているとは私自身は思わない。本当に自分たち(気持ちの部分)の方が大きい。経験に頼ってしまっているところがある。少しでも向上しようという気持ちがないと、現状維持をしているだけでは、結局退化する一方。常に質の向上を追求していかないと、結局周りに追い越されていってしまう」

 もちろん他人事ではなく、自分自身も課題に向き合わないといけない。「ほかの選手に原因を向けたくないし、常に原因のベクトルは自分に向け続けていきたい。でもそれだけじゃ解決しない問題がある。選手だけでなく協会、メディアを含めて改善していかないといけない」。時折声を震わせながら警鐘を鳴らした大儀見。2011年のW杯優勝からほぼ同じメンバーで突っ走ってきたなでしこに、現実が重くのしかかっている。

(取材・文 児玉幸洋)
●リオ五輪女子アジア最終予選特設ページ