虫垂炎の手術を受けて11日後に死亡した19歳女性に対する治療で、医師は内視鏡手術を実施するための資格を持っておらず、資格が必要なことも知らなかったことが分かった。中国メディアの大河報が伝えた。(イメージ写真提供:CNSPHOTO)

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 虫垂炎の手術を受けて11日後に死亡した19歳女性に対する治療で、医師は内視鏡手術を実施するための資格を持っておらず、資格が必要なことも知らなかったことが分かった。中国メディアの大河報が伝えた。

 河南省南陽市に住む19歳女性(当時)の鮑暁林さんは2015年5月28日、激しい腹痛を覚え、家族に付き添われて南陽市医学高等専門学校付属医院(病院)に病院に行き、診察を受けた。虫垂炎に腹膜炎を併発しているとの診断で、翌29日に内視鏡による手術を受けた。手術後には、腹腔内から不要な水分を抜くための管がつけられた。

 6月8日に担当医は管を抜こうとしたが、抜けなかった。力を込めて引いたところ、鮑は痛がって大声を上げた。ピンセットを使って強くはさんで取りだしたところ、管は先端部分が4センチメートルほど切れた。医師はピンセットで腹腔内から残りの管を取りだそうとしたが、失敗した。

 鮑さんは9日に、管を摘出するための開腹手術を受けることになった。しかし手術後に発熱し、意識は混濁したままだった。さらに、呼吸が途切れはじめた。病院側は治療を続けたが、鮑さんは翌10日に死亡した。鮑さんの家族は治療に過誤があったとして、93万9000元(約1641万円)の損害補償を求めて、病院を相手に訴訟を起こした。

 法廷は、鮑さんの死因や病院の医療行為について上海市内の法医学組織に鑑定を求めた。同機関は「鮑さんの場合には内視鏡手術でなく開腹手術をすべきだった」、「病院側が腹腔内の細菌を培養してタイプを確認することをしなかった」、「鮑さんさんに薬アレルギーがないか調べたなかった」、「腹腔に入れた管を、無理に抜き取ろうとした」ことなどを指摘。

 病院側のさまざまな落ち度は鮑さんの死亡との一定の因果関係があり、責任の70%は病院側にあるとの鑑定結果と意見を提出した。

 裁判で行われた執刀医に対する証人尋問で、原告側弁護士は、内視鏡手術の執刀医を務めるには、国が与える資格が必要と指摘。内視鏡に関係する医療行為を5年間以上続けたこと、助手として毎年30例以上の手術に参画すること、中央政府が認める内視鏡治療技術者育成機関で学び、修了書を取得するこどなど、極めて厳格な過程を経て授与される資格という。

 執刀医は、同資格を取得しておらず、資格が必要なことも知らなかったという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:CNSPHOTO)