フォルクスワーゲンには、「cross」(クロス)というカテゴリーが存在しています。

本格的な4モーション(四輪駆動)の「パサート オールトラック」(現行モデルは日本未導入)、「ゴルフオールトラック」とは別に、SUVテイストに仕上げたモデルを「cross」シリーズとしてラインアップ。

このシリーズでは、「クロ スポロ」がお馴染みですが、同社の最小モデル「up!」にも「クロスup!」が仲間入りしました。

「クロスポロ」同様、エンジンはベースモデルと同じ。前輪駆動ですが、車高を1495mmから1520mmに持ち上げ、シルバーの専用パーツであしらい、SUVテイストに仕上げています。

 

エクステリアでは、「シルバールーフレール」、「ホイールハウスエクステンション」、「シル バードアミラー」、「シルバーフロントバンパー」、「シルバーリアバンパー」、「専用16インチアルミホイール」と変更点は多岐に渡り、可愛い「up!」 がそれなりに”ゴツく”仕上がってします。

 

手前味噌ですが、「up!」の初期モデルは家族が所有しているため散々乗っています。ベースグレードとの違いもお伝えできればと思います。

「クロスup!」の直列3気筒DOHCエンジンは、やや長いクランキングの後、軽やかに始動しました。3気筒エンジンとしてはアイドリング時の静粛性は高いと言えます。

イ ンテリアを観察しても大きな違いはありませんが、これまで運転席側に一つしかなかったパワーウインドウスイッチがもう一つ加わり、助手席側の開閉も可能となりました(これは「up!」でも変更済み)。

しかし、相変わらずイルミネーション機能が省かれ、夜間は手探りでの操作となるのは、マイナスポイント。

また、アウトドアをイメージした「クロスup!」ですが、「high up!」に標準のシートヒーターが省かれてしまった点もちょっと残念です。

走り出してみると、弾けるように軽快。1.0リッターMPIエンジンは、75psと変化はありませんが、初期モデルに比べ、加速が軽快になっているのは、気のせいではありません。これは、シングルクラッチの5速ASGの改良が大きく関係しています。

シングルクラッチの5速ASGは、「Dレンジ」走行ではややコツを要し、アクセルを踏みっぱなしでは、変速の際に大きな失速感がありましたが、最新モデルのASGでは、この失速感がかなり改良されました。

まあ、このクルマに乗られる方は、「Mモード」を選んで積極的にシフトを操作しながら走る方が断然楽しいのは、言うまでもありません。

市街地でも、軽快で街の中をスイスイ泳ぐのは得意ですが、乗り心地がベースグレードに比べ、格段にしなやかで、硬さを感じません。

高 速道路に乗っても同様で、道路の継ぎ目でも、ダンピングはコンパクトなボディからは考えられないほどしなやか。そのため、数百キロのロングドライブでも疲労は最小限でした。

75PSを発生するエンジンはASGとの相性もよく、必要にして十分。5速巡航からシフトダウンを行い、追い越しも想像以上に力強く加速してくれます。法律さえ許せば、メータースケールの8割以上を使い切る実力も秘めています。

ベースの「up!」でも、ワインディングでは、「ヒラリヒラリ」とコーナーをクリアしていきますが、「クロスup!」も同様。腰高感など感じさせないまま、最小限のロールでコーナーをクリアしてくれます。

ブルーモーションテクノロジーを採用しているため、燃費は向上。街中では15km/l少々、高速の巡航では、20km/lを軽く超える省燃費性を実現しています。

コンパクトカーを選択するユーザーで、安全性も遊び心も忘れない方には、「up!」ではなく、「クロスup!」をオススメします。

(文/写真:外川 信太郎)

VW・up!を選ぶなら「クロスup!」がオススメ!そのワケとは?(http://clicccar.com/2016/03/04/355734/)