専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第44回

 多くのアマチュアゴルファーは、シングルさん、すなわちハンデキャップ「9.9」以下にはなかなかなれません。私も、メンバーとなった鶴舞カントリー倶楽部(千葉県)のオフィシャルハンデは、「12」が最高でした。

 クラブでシングルになるには、平均スコアもさることながら、月例などの競技で優勝、もしくは準優勝ぐらいしないと、ハンデ「12」から「11」へ上がれないのが通例です。そうなると、ハンデ「10」から「9」へは、月例で2連続優勝するぐらいの勢いがないと上がれません。まるで大相撲の、横綱昇進ぐらいの厳しさと言えます。

 そんなわけで、シングルプレーヤーになれない方は、せめて"練習場シングル"になりましょう。

「練習場シングル」と言うと、「練習場じゃあ、常にナイスショット連発なのに、いざコースに出ると叩いてばかりいる人」を指して、あまりポジティブな使われ方はされてきませんでした。でも、ゴルフを始めたばかりの方は、練習場シングル未満の方もいるわけで、まずは練習場でうまくなることをオススメします。

 練習場シングルの目安ですが、練習場で10回ボールを打ったら、8〜9回はいいボールが飛んでいく状態でしょうか。何回打っても真っ直ぐにしか飛ばない、もうやることがないくらいショットが安定して初めて、「練習場シングル」と言えます。

 練習場シングルになるコツは何か?

 それは、得意クラブを集中的に練習することです。7番アイアンだけは曲がらない、それで結構。長いのと、真ん中と、あと短いのと、得意クラブを3本作れば、そこそこラウンドできますし。

 とはいえ、仮に練習場シングルになったとしても、実際のラウンドでは、練習場ほどショットは安定しません。

 ゴルフ場にはハザードがたくさんあって、プレッシャーを受けます。みんなが見ている中、谷越えショットを迎えれば、ニューボールをなくす恐れを感じるたりもするでしょう。

 しかも、雨や風の日、暑い日、寒い日と天候はさまざま。打つ場所も、傾斜地やディボット、ベアグラウンド、ラフなど、多種多様のライがあって、そこで工夫しながら打たねばなりません。だから、ゴルフは難しいのです。

 では、ラウンドでも少しはいいスコアを出すために、練習場シングルから脱出するにはどうすればいいのか。

 私が思うに、練習場シングルの方は、どんな状況でも練習場と同じイメージでゴルフをしているのではないか、と。しかし本来、練習場と同じ気持ちでプレーしていいのはティーショットだけです。ティーショットはたいがい平らなところで、ティーアップもできますから、練習場と同じ感覚で打てます。

 ならば、まずはその利点を生かさない手はありません。特にショートホールは、ネットなどで調べれば、事前にプレーしに行くコースの距離がわかります。「今度ラウンドするコースのショートホールは、150ヤード前後がふたつと、130ヤード前後がふたつか」とかね。

 そうしたら、その距離を集中的に練習すればよろしいかと。現に私の友だちの中には、そんなショートホールの想定練習をして、スコアメイクに役立てている方がいます。あながち、間違ったプランではないと思いますよ。

 また、練習場シングルの方は、ドライビングレンジでいい球を打てるがゆえ、コースでのギャップに悩みます。「こんなはずはない」「なんで飛ばないんだ」「ダフッてばっかり」......と嘆くことが多いです。実際にコースに出ると、ダフりやトップ、引っかけなど、ありとあらゆるミスショットが頻繁に起こりますからね。

 おかげで、練習場シングルの"栄光"を背負っていると、すごく叩いた気分になってしまいます。そんな感情を和らげるためにも、実際のラウンドでは「2回に1回はミスするものだ」と、諦めたほうがいいです。そのほうが、精神的には楽ですよ。

 スコアって、実はミスの数だって知っていました? あなたのスコアから、72を引いた数がミスの数です。だからゴルフは、1ホールに1回ミスをしても、90で上がれるのです。そう考えると、妙にホッとします。

 新約聖書マタイ伝には書いてないと思いますが、こんな"教え"があります。

「汝、諦めの心から入れ。そして、叩くことより始めよ」

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa