これまでは「とにかく外に出ろ」と国外に出ることを旅行の目的にし、中身は二の次、という感のあった中国人観光客。そのために買い物の強制やぼったくりなど、不愉快な思いをした人は数知れない。しかしその考え方は、明らかに変わりつつある。キーワードは「純粋な旅行」だ。(イメージ写真提供:123RF) 

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 これまでは「とにかく外に出ろ」と国外に出ることを旅行の目的にし、中身は二の次、という感のあった中国人観光客。そのために買い物の強制やぼったくりなど、不愉快な思いをした人は数知れない。しかしその考え方は、明らかに変わりつつある。キーワードは「純粋な旅行」だ。

 中国メディア・銀川晩報は3日、「観光客とともに感じた日本の美」というタイトルの記事を掲載。観光業の発展に伴い「人びとの旅行に抱く意味合いにも新たなニーズが生まれた。ますます多くの人が純粋な旅行を求めるようになった」としたうえで、銀川晩報傘下の旅行社が「追加料金なし、強制ショッピングなし」の日本6日間周遊ツアーを企画したことを紹介。2月25日に出発して1日に戻ってきたツアー第1陣に参加した客の「声」を伝えた。

 記事では数人のツアー参加客の声が紹介されている。ある男性客は「日本の景色や風土、人情に触れただけでなく、真の上質な旅行を体験できた」とし、以前に行った香港やマカオツアーでは買いたくもない品をガイドに押し売りされて非常に気分を害したことを明かした。また、別の女性客は「出発前、手ごろな値段のツアーだったので期待していなかった。ガイドや現地の人が非常に細やかに親切に接してくれ、子どもやお年寄りを連れての旅行も快適だった。まさか純粋で本質的な旅行を体験できるとは思わなかった」と語っている。

 紹介した記事は、系列の旅行社が企画したツアーということもあり、宣伝的な要素が多分に含まれている。しかしそれを差し引いても、ツアー参加者の「声」は昨今の中国における観光業界の手法に対する不満、そして「こんな旅行がしたい」という要望を十分に反映していると言えるのではないだろうか。

 日本における「爆買い」ブームの終焉を論じ始める声が早くも高まりつつある。終焉のスピードやタイミングについては議論があるかもしれないが、変化が起きていることは間違いなさそうである。これからは美しい景色を眺め、おいしい食べ物に舌鼓を打ち、現地ならではのアクティビティに興じ、買いたいと思ったお土産を買う、という「純粋な旅行」、「本質の旅行」へのニーズを満たすことが、中国人観光客の心をつかみ、気持ちよくお金を使ってもらうための絶対条件になりそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)