「アスタリールシンポジウム2016」が開催された

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2016年2月13日、「アスタキサンチン」の研究開発、製造、販売を手掛けるアスタリール株式会社が主催する、最新のアスタキサンチン研究発表会、「アスタリールシンポジウム2016」が開催された。

サプリメントとしてはもちろん、化粧品の成分としても、よく耳にするようになったアスタキサンチンだが、そもそもどんな成分で、どんな効果をもたらすものなのだろうか。

高い抗酸化力を持つアスタキサンチン

アスタキサンチンは天然の色素成分、「カロテノイド」の一種だ。カロテノイドといえば、「β-カロテン」や「リコピン」など、トマトやニンジン、カボチャなど、野菜に含まれている栄養成分というイメージがあるが、微生物や動物にも含まれている。

アスタキサンチンの場合、エビやカニなどの甲殻類の殻や、甲殻類を餌としているサケやタイなどに見られる。これらの殻や身の色を思い浮かべれば、アスタキサンチンが赤橙色の色素成分ということがわかるだろう。しかし、なぜアスタキサンチンが注目されているのか。その理由のひとつが、高い抗酸化力だ。

2007年に富士化学工業が発表した研究によると、アスタキサンチンの活性酸素に対する抗酸化力は、同じカロテノイドであるβ-カロテンの4.9倍、ルテインの2.6倍、リコぺン(リコピン)の1.6倍。ビタミンCにいたっては6000倍になるという。

また、今回のシンポジウムの実行委員長である、京都府立医科大学学長、吉川敏一医師は開会挨拶の中で、アスタキサンチンの特徴として、高い抗酸化力に加え、「生体膜保護作用を持つ」「プロオキシダントになりにくい」といった例を挙げた。膜に作用するということは、細胞だけではなく、ミトコンドリアや赤血球などの保護も期待できる。

「プロオキシダント」は聞きなれない言葉だが、本来は抗酸化物質として作用する成分が、逆に酸化を促進してしまう状態を指す。例えば、ビタミンCはプロオキシダントになりやすいとされ、β-カロテンやリコピンもある程度がプロオキシダントになってしまうが、アスタキサンチンにはそれがほとんどなく、純粋な抗酸化物質としての働きが期待できるという。

そんな優れた抗酸化物質として期待されるアスタキサンチンだが、シンポジウムでは、「天然アスタキサンチンで先制医療に挑む」というテーマのもと、サルコペニアやアルツハイマー、糖尿病、心不全に対しても、アスタキサンチンが与える効果を示す、興味深い最新研究が発表された。

全身に健康効果が期待できる?

基調講演に登場したワシントン大学のケヴィン・コンレイ博士は、アスタキサンチンが筋肉に与える効果の一端を、複数のデータと共に紹介した。まだ研究中であり、最終的な結果は出ていないとしつつも、運動をしていない高齢者にアスタキサンチンやビタミンDを服用してもらったところ、筋持久力の回復が確認されており、筋トレと組み合わせることで、より高い効果が得られる可能性もあるという。

人間の使用例ではないが、世界的な犬ぞりレースで数々の優勝実績を持つエリス夫妻は、飼育している競技犬に、アスタキサンチンを与えている、という実例も紹介された。

国内外の研究者が参加しておこなわれたパネルディスカッションでは、アスタキサンチンの抗炎症作用に言及。

糖尿病やアルツハイマー、過敏性腸症候群などの疾患に共通する要因として、脳や筋肉、消化管の「炎症」を示唆する研究が複数登場しており、薬剤以外でエビデンスが蓄積されつつあるアスタキサンチンを用いてみてはどうか、とする提案が発表された。

すでに臨床の場でアスタキサンチンを処方している事例もセッションで発表されており、京都大学医学部耳鼻咽喉科の平野滋准教授は、過度の発声による声帯損傷予防効果を。所沢ハートセンターの桜田真己院長は、心筋肥大によって心臓の機能が著しく低下した患者が、ほぼ正常な状態にまで回復している事例を紹介している。

(Aging Style)