バターに豆乃香を混ぜ込んだ「ブールdeマメノカ」。フランスでもドイツでも一番人気だった

写真拡大

 日本が誇る奇跡のスーパーフードの納豆を、海外の人にも食べてもらいたい。

 茨城県と県内の納豆メーカーの連携により、外国人が最も納豆を嫌う原因である“粘り”を少なくした「豆乃香」が完成した。

 せっかくPRするなら、ドカンと大きく。いばらき成長産業振興協議会はフランス・リヨンで開催される世界最大級の外食産業向け展示会「Sirha2015」(シラ国際外食産業見本市)への出展を決定。

 そこで課題となったのが豆乃香のPR方法である。

 フランス人に「ごはんにかけて、はいどうぞ」というわけにはいかない。

 健康効果をいくら謳っても、調理法がわからなければ使ってもらえない。豆乃香をそのまま食べるのではなく、「食材」として売り込むために、「フランス人に好意的に受け止めてもらう」試食料理の開発が必要だった。

 そこで、いばらき成長産業振興協議会では日立市出身のレストラン「HATAKE AOYAMA」オーナーである神保佳永シェフに豆乃香を使ったレシピ考案を依頼した。

納豆なのにパンに合う!?
フランス人向けの納豆メニュー誕生

 開発されたのは3品。「ごはんに納豆」のように「パンに納豆」を合わせるべく、発酵バターに豆乃香を混ぜ込み、隠し味にエシャロットや昆布茶などを加えた「ブールdeマメノカ」。フランス南西部の白いんげんを使って作る郷土料理「カスレ」を豆乃香でアレンジした「カスレdeマメノカ」。そして、フォアグラと豆乃香のテリーヌを豆乃香入りのサブレで挟んだ「サブレdeマメノカetフォアグラコンフィ」。

 これが納豆!?という「おしゃれな豆乃香フレンチ」が完成した。「とても美味しくて、関係者にも大好評でした」と茨城県商工労働部産業政策課産学連携推進室の寺杣(てらそま)崇さん。

 調理にあたった神保さんは豆乃香を「糸引きが少ないので調理に使いやすい」と評価した。

「糸を引く納豆の場合、ほかの食材と組み合わせた時に分離したり、ドロドロになったりして料理としてはいかがなものか、という状態でしたが豆乃香ならば問題なかったんです」と寺杣さん。豆乃香は、外国人の嫌がる粘りを解消しただけではなく「料理に使いやすい食材」に変貌を遂げていた。「豆乃香の可能性はそこにありました」。

 粘りが少ないことは、「納豆加工品」を作るための大きな利点にもなったのだ。

 金砂郷食品では、海外向け納豆加工品として「納豆ぺースト」を研究していた。欧米の健康に対して意識が高い層に向けて、動物性パテの代替品として納豆を使った「植物性パテ」を売り込めないかと考えたのだ。「パンに塗って手軽に、納豆の健康効果が取り入れられる商品なら、欧米のニーズにマッチしやすいと思いました」と社長の永田由紀夫さん。しかし、納豆の「糸引き」が邪魔をしてなかなか大量生産に結びつかなかったが、豆乃香を使用することで問題を解決できた。

 欧米は日本ほど冷凍での流通が整っていない。冷蔵で出荷しなければならない納豆が、その壁を乗り越えるためには、常温で販売できる加工品も視野に入れなければならなかった。豆乃香はその点でも海外進出の布石に向けて大きな可能性をもつ商品だったのだ。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)