疲れがとれない、やせない、肌が乾燥する…。それって“隠れ炎症”かも?

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季節の変わり目には、なにかと体調を崩しやすいもの。しかし、その体調の崩れが季節のせいだけでなかったとしたら…。実は今、年齢に伴うさまざまな不調の原因として、“隠れ炎症”が注目されているという。10代、20代のうちは大丈夫だけれど、30代以上になると、体内の組織や器官で劣化が始まり、それが“隠れ炎症”として現れるのだ。

そもそも炎症とは、体内に異物が侵入したり、有害物質による刺激を受けたりしたときに起こる生体防御反応のこと。同志社大学生命医科学部教授の米井嘉一さんは「風邪をひいたときにのどが赤く腫れたり、花粉症で鼻水やくしゃみが出たりするのは、炎症のひとつ。これらは体を守るために働く反応です」と話す。

「風邪などの炎症は急性で、比較的早く症状が治まるけれど、なかには長期的に炎症が続く慢性タイプのものもあります。これは“隠れ炎症”と呼ばれ、放置すると免疫機能の低下や自律神経の乱れなど引き起こす可能性があります」(同)

自覚症状があまりないため、本人が気付かないまま進行し、強いては、シミやシワ、ガサガサ肌などの見た目老化や、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病につながる可能性もあるのだとか。そこで、“隠れ炎症”かを探るセルフチェックの方法を教えてもらった。
◆“隠れ炎症”リスクセルフチェック

□ 脂っこい食事を好んで食べる
□ 喫煙習慣がある、もしくは喫煙習慣があった
□ 紫外線対策を忘れがち、もしくは怠っていたことがある
□ 便秘気味だ
□ 毛穴が目立つようになってきた
□ 寝跡が消えにくくなってきた
□ 会議室やレストランで、自分だけ「寒い」と言ってしまうことがある
□ 肩こりや腰痛が慢性的になってきた
□ デスクワークやPC作業で座りっぱなしの時間が長い
□ 肌が乾燥しやすい
□ 口が渇きやすい
□ 咳やたんが出やすい
□ ダイエットしてもやせづらくなってきた
□ 階段ではなくついエスカレーターを使ってしまう
□ 休日は家にいることが多い
□ 周りの人にイラっとしてもガマンしてしまうことがある
□ ストレスをためやすい方だと思う、ストレスが多い
□ 心から笑っていない、と思うことがある
□ 睡眠時間はだいたい6時間以下だ
□ 夜寝る前に、スマホやPCをチェックする

チェックの数が0個なら問題なし、1〜6個は軽度、7〜14個は要注意、15個以上危険サインだという。

◆隠れ炎症の原因

隠れ炎症の大きな要因は、運動不足やストレス、睡眠不足、偏った食生活の3つ。

「症状を最小限にとどめるためには、まずは“座りっぱなしの生活”をやめましょう。日頃から運動をせずに、仕事では座っている時間が長い…という生活だと、筋肉を使わないため筋肉量が減ってしまいます。筋肉はエネルギーを使う組織なので、筋肉量が減った結果、新陳代謝も落ちる。すると、食事でとった糖が余って老廃物が余分に体に溜まり、炎症を引き起こしてしまうのです」(同)

電車の中でできるだけ立つ、カフェでは着席せずにカウンターで立食する…というように、座る時間を少しでも減らすこと。自宅でテレビを見るときも、座りっぱなしにならないよう、家事などで体を動かしながら見るようにしよう。そうすることが、“隠れ炎症”を予防することにつながるそう。

いつまでも健康に過ごすために、老化の始まりである“隠れ炎症”を、今のうちからケアしておこう。

米井嘉一
同志社大学大学院生命医科学研究科・アンチエイジングリサーチセンター勤務。1982年慶応義塾大学医学部卒。1986年慶応義塾大学大学院医学研究科、内科学専攻博士課程修了の後、UCLA留学。1989年に帰国し、日本鋼管病院内科、人間ドック脳ドック室部長などを歴任。2005年同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授。2008年同志社大学大学院生命医科学研究科教授。日本抗加齢医学会理事、日本人間ドック学会評議員。抗加齢医学研究の第一人者として、研究活動に従事するとともに、研究成果を講義、講演、著作、学会発表・論文などで日本のみならず世界に発信している。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。