なでしこの練習を訪れた澤さんは、選手たちにエールを送るとともに、「球際、セカンドボールを拾う意識、連動・連係の共通意識が伝わらない」と厳しい意見も口にした。(C)SOCCER DIGEST

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 まさかの引き分けに終わった韓国戦から一夜明けた3月3日、昨年末に引退した澤穂希さんが、なでしこジャパンの練習を訪れた。2戦を終えて勝点1と五輪出場に黄信号が灯るのを目の当たりにして、「チームのためになにができるんだろう」というもどかしさを抱えながら、「みんなに元気やパワーを与えられるのであれば」と決断に至ったという。レジェンドの目に、今のなでしこジャパンはどのように映っているのか。
 
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<チームの現状について>
 正直厳しい戦いが続いているし、『次に勝たなかったら……』と最悪の状況も考えなければいけないので、選手は危機感を持ってやっていると思います。私が選手だったら、『どうしよう』ってなるくらいの状況なので、みんなに会ったら明日に向けて前向きな言葉をかけて、元気を与えられたらいいなと。
 
<オーストラリア戦、韓国戦を観ての感想>
 今回初めてピッチの外から(試合を)観ましたが、『この試合に勝つ』『絶対に出場権を獲得する』『本当に負けられない』という気持ちを持っている選手が何人いるのかなと、正直思いました。

 良い時のなでしこは、みんなが同じ方向に、同じ気持ちで向かっていくんですけど、どこか他人任せなところが感じられた2試合だったというか、厳しい言い方にはなってしまいますけど、球際、セカンドボールを拾う意識、連動・連係の共通意識が伝わらない。こういう時こそ年齢も関係ないし、勝つという気持ちを持つだけではなく、それをピッチで表現しないといけないと思います。
 
<背番号10を着ける大儀見優季について>
 彼女もメディアの方に言われて、いろんなプレッシャーを抱えてプレーしていると思います。でも、彼女は彼女なりに全力でやっているし、自分なりの10番を見つけてやってほしいですね。彼女の仕事は、得点を取ってチームを勝利に導くこと。皆さんも温かく見守りながら、その背中を押してあげてほしいと思います。
 
<キャプテンの宮間あやについて>
 責任感の強いキャプテンなので、結果が出ない時に一番危機感を持っていると外から見ていても感じます。でも、チームなのでひとりだけで背負って、自分を追い詰めないでほしいなと。心で思っているいろんなことも、一緒にやってきた選手に話したりして、みんなに“重いリュック”を持ってもらえるようにしてほしいですね
 
<流れを変えるためには>
 まだ出てない選手がリズムを変えるのか、ポジションや起用で変えるのか。“なにか”が起こればチームは良くなっていく気はしています。そのなにかが選手は分からなくてもがいているとは思いますけど。みんなには絶対にリオへ行ってほしいし、日本女子サッカーの歴史を途絶えさせてほしくない。まだ終わったわけではないし、まだまだチャンスはあるので、諦めず、死に物狂いで戦ってほしいです。

取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

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