中国メディアの環球網は1日、「日本人はなぜ、どうしても鯨を食べたがるのか?」と題する記事を発表した。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 中国メディアの環球網は1日、「日本人はなぜ、どうしても鯨を食べたがるのか?」と題する記事を発表した。中国の世論は日本の捕鯨について強い反発を示す場合が一般的だが、同記事は日本における捕鯨の歴史と文化との関係を客観的に紹介した。ただし、和歌山県・太地町の追い込み漁については「和食の精神にそぐわない」として批判的に論じた。

 捕鯨について中国で目立つのは、政府の姿勢と一般民衆の主張の乖離だ。中国政府は生物種としての鯨の保護を主張すると同時に、捕鯨産業の存在は認める方針だ。南極海での捕鯨を全面禁止する「南極海クジラ・サンクチュアリ」でも、国際捕鯨委員会(IWC)で、反対票を投じたりしている。

 しかし一般大衆は日本の捕鯨を強く非難することが多い。欧米に始まった感情的な「反捕鯨」の主張を吟味することなく受け入れたと言ってよい。

 環球網は、日本人は旧石器時代に鯨を食べていたと、日本における鯨食文化の歴史の長さを指摘。また、712年に編纂された古事記にも、神武天皇に鯨肉を奉じた記載があると紹介した。

 また、和歌山県・太地町は、1606年に捕鯨を始めた、日本における「捕鯨発祥の地」とされていると説明した。

 さらに、第二次世界大戦後は、食料危機の日本にとって鯨肉は貴重なたんぱく源になったと紹介。鯨肉ステーキや鯨肉カレーなど、さまざまなメニューが登場し、鯨肉は日本人にとって、「安価な(獣肉の)代用品」になったと指摘した。そのため、戦後に育った日本人は鯨肉に対して「安い代用品」との嫌悪感を持つと同時に、「なつかしい食べ物」との情緒を伴う食べ物と論じた。
 鯨肉については、含有する水銀が極めて高い濃度を示す場合があると、環境汚染の影響があると指摘する一方で、高蛋白・低脂肪と栄養面の価値が高く美味しいので、日本にはさまざまな鯨料理が存在し、病人食として利用される場合もあると紹介した。

 捕鯨についての国際的な対立については、日本とオーストラリアの動きをともに紹介。ただし、国際法廷では日本に不利な判決が出ていることや、日本の「科学調査」を目的とする捕鯨についても、「公海における漁業資源の取得」を覆い隠すものとの指摘があると論じた。

 環球網は「日本と鯨」については、おおむね客観的に紹介したが、和歌山県・太地町の追い込み漁については、日本が和食をユネスコの無形文化遺産に登録登録申請した際に用いたキャッチフレーズの1つ「自然に対する尊敬」から逸脱していると主張した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)