台中市でこのほど、日本統治時代の1913年に完成した同市旧市役所の建物が、カフェとして生まれ変わった。台湾メディアの蕃新聞、TVBSなどが報じた。(写真はTVBSの報道画面キャプチャー)

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 台中市でこのほど、日本統治時代の1913年に完成した同市旧市役所の建物が、カフェとして生まれ変わった。台湾メディアの蕃新聞、TVBSなどが報じた。

 同建築を手がけたのは明治時代を代表する建築家の1人、辰野金吾氏(1854-1919年)だ。辰野氏の作品には、日本銀行本店や奈良ホテルなど重要文化財に指定された建物も多い。

 現在の台中市役所はすでに、新しいビルに移っている。旧市役所も市政府の一部部門が使用を続けてきたが、英国式アフタヌーン・ティーを供する店舗をチェーン展開している企業の「下午茶」が入居することになった。

 同社を経営する黃騰輝氏や、自らのビジネスと古い建物を結びつけたことで「これまで以上に多くの人が、建物に入ることができることになる」と説明した。

 台中市旧市役所は、同市初の鉄筋コンクリートによる建物として建設された。辰野金吾氏は、欧州の過去の建築様式を復古的に用いて設計する「歴史主義建築」の建物を多く手がけた。また、設計の頑丈さから「辰野金吾ではなく辰野堅固だ」などとも言われた。

 しかし、台中市旧市役所が建築時の素晴らしさだけで、歴史を耐え抜いてきたわけではない。台湾中部で1999年9月21日に発生した大地震では損傷を受け、倒壊の危険があるとの判定を受けた。

 しかし、歴史的な価値がある建物との意見が強く、2002年には市文化局が「歴史建築」に認定。その後、2期にわたる修復・補強作業を実施したという。(編集担当:如月隼人)(写真はTVBSの報道画面キャプチャー)