1日、シャープはこのほど、臨時取締役会を開き、フォックスコン・テクノロジー・グループの親会社である鴻海精密工業からの7000億円規模の買収案を受け入れることを決定した。

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2016年3月1日、国際商報によると、シャープは先月25日、臨時取締役会を開き、フォックスコン・テクノロジー・グループ(富士康科技集団)の親会社である鴻海(ホンハイ)精密工業からの7000億円規模の買収案を受け入れることを決定した。意外にも、買収側のフォックスコンは同日遅い時間に緊急声明を発表、契約を暫時見合わせることを明らかにした。

フォックスコン側が契約を遅らせたのは、シャープが24日、「約200億元(約3500億円)の偶発債務(現実にはまだ発生していないが、将来一定の条件が成立した場合に発生する可能性がある債務)がある」という新たな情報を発表したことに原因がある模様。これらの憶測について、フォックスコンは現時点でノーコメント。だが、関係者は、「フォックスコンは24日、シャープから、約3500億円分の『偶発債務』リストを受け取った」と漏らしている。

〇ホンハイの買収意図とシャープの選択

実のところ、フォックスコンはずっと、利潤率の低いOEM業務以外の分野での業務開拓を進め、高級モジュール生産分野の開拓に尽力してきた。中国現代国際関係研究院日本研究所の劉雲(リウ・ユン)アシスタント研究員は、「フォックスコンはかつて、自主ブランドの開発や端末機器ブランドの発展など一連の新戦略を発表した。今回のシャープ買収計画も、液晶パネル生産分野でのシェア拡大という意図が表れている」と指摘した。

米アップル社の存在も、今回の買収で考慮すべき要因のひとつとなった。フォックスコンは、4年あまり前から、シャープを買収したいという意図を持っていた。というのも、シャープは、アップルiPhoneの液晶ディスプレイを生産するサプライヤのひとつであり、フォックスコンはずっと、OEMより利潤率が高い、アップルiPhone液晶ディスプレイのサプライヤとなる機会を伺っていたからだ。

シャープがフォックスコンを選ぶという結論に至るまでには、かなりの紆余曲折があった。日本の政府系ファンド・産業革新機構に依託して再編について話を進めてきたシャープだったが、ホンハイの強大な資金力とホンハイからの「3年間で黒字化を約束する」という申し出のもと、シャープはホンハイを選んだ。

劉雲アシスタント研究員は、「日本の産業革新機構は、シャープと再編案を推し進めており、大きな優位性を持っていた。だが、彼らが提供する資金額は、ホンハイに比べてかなり少なかった」と指摘した。

〇日本企業のモデルチェンジ

優秀な技術は持っているものの、深刻な財政問題を抱えている―「シャープの困難」は、まるで日本家電メーカー業の縮図のようだ。

南開大学日本研究院の張玉来(ジャン・ユーライ)副院長は、これについて、次の通りコメントした。

技術の進歩とモジュール化革命がもたらす「グローバル産業分業化」は、日本の家電メーカーが苦境に陥る主な原因となった。シャープのような企業は、戦略のモデルチェンジと経営パターンの変革に真っ先に取り組まなければならない。

従来の業務によって自身の財政問題の解決にあたることより、日本の家電メーカーを苦境から救い出すためのより良い方法は、アップルのように時代を超える商品を産みだすことができるか否かを探求することだ。現段階では、人工知能や統合インターネットなどが織りなす新コンセプトが、未来の新たな方向性となっている。企業の生存条件から見ると、落伍した技術と低利潤商品に執着している限りは、淘汰される運命となり、新しい業務の研究開発・開拓が必須となっている。

日本の家電メーカーの多くは、発展戦略の重心をシフトさせている。業務の中心を自動車事業に転向するパナソニック、医療分野を大々的に開発するソニー、海外原子力発電と鉄道に向かう日立などの大手企業は、その経営状況が軒並み好転しつつある。また、日本企業による積極的な海外市場開拓にも顕著な効果が表れており、2014年度の収益は6兆5000億円に達し、日本の経常収支の黒字を支えた。日本内閣府が今年1月に発表した統計データによると、2014年末の時点で、日本企業および個人の海外純資産は、12%増の367兆円に達した。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)