恵まれた体格とパワフルなシュートで、日本の“救世主”となれるか。「自分も出場機会があれば点を取ってチームに貢献できるよう頑張りたい」と意気込みを語った。 (C)JFA

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 最終予選初戦のオーストラリア戦、郄瀬愛実はピッチに立つことなく、チームの敗戦を受け止めなければならなかった。ベンチで時を過ごし「悔しかった」と話す一方で、フラットな目線でチームの課題を分析していた。
 
「(オーストラリア戦は)相手のほうがより攻撃的にボールが動いていました。私たちはサイドからのクロスが多かったですけど、単発になってしまった印象。なにか“アクセント”というか、例えば(45+2分の)ゴールシーンのようにふたつのクロスを組み合わせたり、外からだけじゃなく中からも切り裂けるようにしたり。そういった状況を作れば外も活きてくるし、自然とゴールに近づけると思います」
 
 試合翌日でチームメイトと話す時間は少なかったそうだが、「皆が前向きなのは確か」と言い切る。それも、今やなでしこジャパンの代名詞でもある“逆境での強さ”に自信があるからだろう。郄瀬は優勝を飾った2011年ワールドカップの成功体験を例に挙げながら、「逆境に立たされたところからの切り替えを明日に活かしたい」と話す。
 
 この負けられない状況で相見えるのは韓国。郄瀬によれば、前日練習は「相手の対策よりは、自分たちのプレーの質を上げることに時間を使った」というが、「五輪の切符が懸かっていつも以上に激しくなる」ゲームのなかでも、2011〜13年にINAC神戸でともにプレーしたFWチ・ソヨンを警戒する。
 
「チ・ソヨンはボールが入ると必ずなにか仕事をする選手。ひとりでも崩せるし、周りも使えて、決定力・勝負強さもある。たとえ警戒していても、それをかい潜ってくるので、なるべくボールを持たせないようにしたい」
 
 オーストラリア戦から中1日の強行軍ゆえ、韓国戦では郄瀬にも出番が巡って来るだろう。なんと言っても決定力の高さが最大の魅力のストライカーだ。前日練習のカコミ取材でも、口調は静かだが、言葉の端々にゴールへの意欲を滲ませた。
 
「得点を取らないと勝てないし、FW陣には結果が求められるというか、結果を残すしかない。(同じメンバーで)長くやっているぶん、イメージの共有に関しては修正可能だと思うので、自分も出場機会があれば点を取ってチームに貢献できるよう頑張りたい」
 
 練習場に『アジア女王の意地を見せろ!! 掴み取ろうリオ五輪』と書かれた横断幕を見て、「私たちには応援してくれる人がいる。絶対に勝たないといけない」と勝利を誓った郄瀬。恵まれた体格とパワフルなシュートで、日本の“救世主”となってくれることを期待したい。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)